ノバルティス ファーマ(本社:東京都港区)は、5月31日の世界禁煙デーに合わせて、禁煙補助薬『ニコチネル パッチ』を、全国の薬局・薬店で発売する。一般用医薬品で、国内で初めての貼付型。

禁煙に必要なレベルのニコチンを皮ふから吸収させることで、禁煙時のイライラ・集中困難などのニコチン離脱症状を和らげ、禁煙を成功に導く。最初の 6週間はパッチ1枚にニコチン35mgを含む『ニコチネルパッチ20』を1日1枚、起床中に使用。次の2週間はニコチン17.5mgを含む『ニコチネル パッチ10』を同様に使用する。

希望小売価格は「パッチ20」の1箱7枚入りが2940円、14枚入りが5670円。「パッチ10」7枚入りが2625円、14枚入り5040円。同社はスイスのNovartis社の日本法人。Novartis社は、1990年にスイスで初めてニコチン貼付剤を発売。「ニコチネル」の名称で、現在、世界70カ国以上に展開している。
喫煙は体に悪いのは確かだろう。しかし、研究者とバイオ技術企業が現在静かに開発を進めている、脳、腸、血管、さらには免疫システムにまではっきりと効果を示している薬品は、煙草の有害物質すなわちニコチンに触発されたものだ。
ニコチンは、脳のアセチルコリン受容体に作用し、セロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリンといった脳内化学物質の放出を刺激し調節する。当然ながら、これらの化学物質とその身体への影響を特定した初期の科学的成果はニコチンの研究から導き出されたものであり、その大部分はタバコ企業によってなされた。
現在、ニコチン由来の薬品とニコチン受容体の研究は、傷の治癒の促進から、うつ病、統合失調症、アルツハイマー病、トゥーレット症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アンガーマネジメント、不安まで、さまざまな分野で臨床試験に入っている。