
シンディ・ローパーの思い出あれこれ

シンディ・ローパーについての過去記事からの抜粋に、新たな情報を加え、ここにまとめ記事として残すことにしました。少し長くなりますが良かったら。
シンディ・ローパーの初来日公演は1986年のことですが、その2年前の84年3月にはプロモーションで来日しています。テレビ出演となった番組『ベストヒットUSA』は、当時の洋楽ファンにとっては貴重な情報源で人気番組でもあったので、シンディ出演回を覚えている方は多いと思います。
タクシーの中で生まれそうになったという出生時のエピソードや、WWFというプロレス団体にセコンドとして参加したエピソード、極めつけは伝説の?ハリウッド・スマイル。 司会の小林克也氏が一緒にやらされているのが笑えます。シンディ・ローパーってはじめから茶目っ気があり、可愛い女性であったことがわかりますよ。
シンディ・ローパーはヒット曲も多く、ヒットしていない曲の中にもいい曲がありますが、やはりこの曲がはじめに来るでしよう。出世作ですからね。 先月の日本公演でも、アンコールの一番最後に歌っていました。
この曲のMVには実の母親も出演していて、これがなかなかいい感じの演技。 そして父親役として、「ベストヒットUSA」でも話していたプロレス・マネジャーのキャプテン・ルー・アドラーといういかつい男が登場します。後のMVには大巨人アンドレや嚙みつき魔ブラッシーなども登場しているので、シンディねぇさんはプロレスが好きってことなんですかね。
この曲にある「女の子だって楽しみたい。ただ楽しくやりたいだけなのよ」という歌詞によって、アメリカでも日本でも同性からの共感を得ることとなったようです。
Girls Just Want To Have Fun (1983)
1986年の来日公演は、東京、静岡、大阪、愛知と、全部で9公演となっています。僕が行ったのは 9月12日の日本武道館でのライヴです。 2階の南スタンドなので正面にはなりますが、V列なのでかなり後ろのほうでした。それでも思い出深いコンサートのひとつとして、あの日のライヴははっきりと記憶に残っています。あの頃は型にはまらない彼女の自由さにすっかり魅了されていたんですよね。
先日、彼女は、86年の来日公演で「True Colours」を歌った際に、皆が一緒に口ずさむ声が聴こえたとMCで話していました。あの日の武道館の記憶がよみがえり、感慨深い気持ちになりました。あの日のシンディ・ローパーが今 同じ武道館にいて、あの日と変わらずに歌っているのだと。あれから39年経ったんだと。。。
True Colors (Live at BUDOKAN 1986)

初来日公演で印象深かったのは、会場に若い女性ファンが多かったことです。シンディ・ローパーのコンサートはいつも女性ファンが多いのですが、あの時は20代のファンが中心でした。
「シンディ!シンディ!」と口々に叫んでいたのが耳に残っています。 同性として憧れと共に親しみも感じていたのだと思います。エネルギッシュでまっすぐ。茶目っ気があって愛すべきキャラクター。それは歳を重ねた現在でも変わっていないように思います。
1984年に5枚目のシングルとしてリリースされた「Money Changes Everything」のMVは、ライヴをそのまま収録したものです。突然若い女性ファンがステージに乱入し、シンディ・ローパーに抱きつくのですが、彼女は一瞬驚いただけで、すぐにそのファンを抱きしめ返すといった場面が収録されています。シンディ・ローパーって、たぶんそういう人です。
Money Changes Everyhing (1983)
親日家と呼ばれているアーティストはけっこういます。やはり先月来日したエリック・クラプトンもそうですが、シンディ・ローパーの場合はもっと深い所で結びついている気がします。スピリチュアルなんて言葉を使うのは安易な気もしますが、2011年3月11日のまさにあの日に、彼女は東京に降り立ったわけで、これには本人も日本との因縁のようなものを感じたようです。
それから5日後の渋谷オーチャードホールのコンサートは決行されました。余震は続いていたので、電車が止まればまた帰宅難民になるし(3月11日も難民になった)、それに東京上空にも放射能が飛散しているらしいというニュースも伝わり、外国人は日本から脱出し始めていましたからね。
他のイベントのほとんどが中止になる中、さすが!シンディねぇさん。 帰国希望のスタッフには頭をさげて説き伏せたようです。いや、本当のところはライヴなんかやっている場合じゃないだろ!の意見もあったと思うのですが、日本とは特別な絆を感じていた人ですからね。中止 イコール 逃げ出すが彼女の本心であったのだと思います。
それにしてもあの日の渋谷を思い出すともう。。。いつもなら毎日がお祭り騒ぎのセンター街に人がいないんですからね。会場には空席もありましたが、ライヴ自体はお馴染みの元気なシンディ・ローパーでした。そして被災者へのお見舞いを語った後に、「これは癒しの曲」と言って歌ったのが「True Colours」です。 あれは会場に染み渡りましたよ。
驚いたのはそのちょうど1年後の3月11日にも、同じオーチャードホールでコンサートが行われたことです。この時の来日時にもチャリティは行われました。これは行くしかないだろ!ってことでやはり行ったんですよ。その時は凄く良い席で、客席に降りてきた彼女の熱を感じることができました。振り返ってみれば阪神・淡路大震災の時もチャリティで来日してくれたわけで、いつも日本のことを気にかけてくれたひとです。

☆ 好きな曲をいくつか選んでみました。
Shine (2004)
先月のライヴではアンコールの1曲目に歌われました。シンディ自身 大切にしている曲のようです。
Lorraine (1980)
ソロデビュー前に組んでいたバンド BLUE ANGEL 時代の曲。 ほとんど知られていない曲です。孤独な男がロレーヌという女性と恋に落ちるラヴ・ソング。 こういったもの悲しい曲でのシンディ・ローパーの歌が、とりわけ好きなのです。
Change Of Heart
2枚目のアルバム『True Colors』に収録された曲。シングルヒットもしています。初来日公演のオープニングナンバー。 この曲が始まるや、会場が大歓声にとなったのを思い出します。
他にも語りたいことはあるのですが、収拾のつかない散らかった記事になりそうなのでこの辺にしておきます。
またの機会に (*^^)v
