オールド・ファッションド・ラヴ・ソング | Get Up And Go !

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ポール・ウィリアムス
PAUL WILLIAMS
『 オールド・ファッションド・ラヴ・ソング / An Old Fashioned Love Song 』


音譜
古めかしいラブ・ソングが
ラジオから流れる
音楽を包んでいるのは
決して離れまいと約束する誰かの音
いつか聴いたことがあると きみは言うだろう
ゆっくりと取りとめもなく流れるその音を
彼らを連れ戻す必要などない
彼らほ 本当は行ってはいないのだから

古めかしいラブ・ソングが
三部合唱で流れる
とても古めかしいラブ・ソングは
きっと きみと僕のために書かれた歌

Just an old fashioned love song
Playin' on the radio
And wrapped around the music
Is the sound of someone promising they'll never go
You'll swear you've heard it before
As it slowly rambles on and on
No need in bringing 'em back
'Cause they've never really gone

Just an old fashioned love song
Comin' down in three-part harmony
Just an old fashioned love song
One I'm sure they wrote for you and me


(music and words by Paul Williams)
音譜






ポール・ウィリアムス、1971年発表のセカンド・アルバム 『JUST AN OLD FASHIONED LOVE SONG』 に収録。シングルとしても発売されています。全米4位のヒットとなったスリー・ドッグ・ナイトのヴァージョンが最も有名でしょう。他にはレターメンによる録音もよく知られています。

ポール・ウィリアムス。 アメリカのポップス史を語るうえで、忘れてはならないコンポーザーのひとりです。カーペンターズによって歌われた 『雨の日と月曜日』 『愛のプレリュード』 『あなたの影になりたい』 といったロジャー・ニコルスとの共作曲は、"珠玉の" と呼ぶにふさわしい名曲です。

1960年代、俳優として活動していたポール・ウィリアムスが、ソロ・シンガーとしてデビューしたのが1970年。全作品を 作曲/ロジャー・ニコルス、作詞・ポール・ウィリアムスで作り上げたのが、アルバム 『SOMEDAY MAN』 です。そしてA&Mへ移籍してのアルバムとなった 『JUST AN OLD FASHIONED LOVE SONG』 では 「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」 をはじめとして作曲も手掛けるようになります。






最初に聴いたのは、スリー・ドッグ・ナイトによるヒット・シングルです。でも、今ではこのポール自身によるヴァージョンのほうが断然気に入ってます。ポール・ウィリアムスと言う人は特にすぐれたシンガーではないと思うのですが、独特のあたたか味を感じるんですね。

70年代初頭のアメリカと言えば、激しかった60年代の反動もあって、アコースティック楽器によって個を歌うシンガー・ソングライターたちが多く登場した頃。その代表的な人がキャロル・キングなわけですが、ポール・ウィリアムスのアルバムにも自然体で人間味を感じさせるものがあります。時代がそういったものを求めていたというのもあると思います。

「オールド・ファツションド・ラヴ・ソング」 は演奏もアレンジもなかなか秀逸なものです。
サックス、トランペット、チューバにトロンボーン。クラリネットにフルートも加わってのオールド・ジャズ風のアレンジ。 最後にはその昔、大道芸で使われたカズーという楽器まで登場しています。

もともとはカーペンタズのために書かれた曲であったのが、リチャード・カーペンターはこの曲の提供を断ったそうです。アレンジにすぐれた力を持つリチャード・カーペンターだったら、どんなアレンジにしたのかなぁ なんてちょっと想像してしまいますが。








Old Fashioned -。 日本語に訳すと、古めかしい、古びた、時代遅れの・・・。そんな言葉があてはまるでしょうか。でも愛の言葉の頭に、「時代遅れの」 という形容がついたとしても、それはマイナスの響きには感じないのですが、みなさんはどう思われるでしょうか。 雄弁で洗練された愛の言葉なんてどこか嘘くさいな、と。