悪役商会
なんて雰囲気の良いお店だろう
一発でそのお店を気に入った
お昼を食べに沖縄料理のお店に来た
何でもカレーラーメン定食が絶品らしい
先に言ってしまうと確かに絶品だった
カレーラーメンもうまいが
一緒に付いていた卵ご飯最高
龍の卵というらしいが
これが美味すぎた
お店に入った時に戻ろう
まだ時間も早く
店内に誰もいなかった
その時奥から
「どこにでも座ってください」
ドスの利いた野太い声
とりあえず座ったがどんな人か気になった
すると案の定前傾姿勢のがに股で
一人の男の人が出てきた
どう見ても顔が悪役商会の人だ
けして店頭に出てはいけない系だ
ただぶっきらぼうだが
態度が悪いわけではなかった
そして食べ終わり
味も美味いし米の炊き具合も抜群で
その素敵さに厨房の人は相当料理が上手いんだろうと
気になっていた
しばらく余韻に浸っていると
目の前にさっきのカレーラーメン定食がヌッと現れた
なんだっ と思ったが
どうやら隣の注文を間違えて置こうとしていたみたいだ
しっかりしろよ悪役商会~
と思い顔を見ると
山賊がいた
こんな街中の昼下がりに
顔半分から下が全部髭で
太っちょの体
その人が料理を作ったみたいだ
悪役商会よりも店頭に出てきたらいけない系
あんないかつい悪役商会が
注文を聞いてる事に納得しつつ
静かに店を去った
愛情
母親と戯れる子供がいる
出勤中の電車に一組の親子がいた
子供は母親の足元に立って
その辺りを動いていた
母親はその子を軽く手で
自分に引き寄せるように抱えていた
何でもない親子の光景
だがその姿を見ていると
自然と涙が出そうになってきた
そのあたりがオーラで包まれているのだ
優しいオーラだった
その子供の表情と
母親が子供を見る表情・しぐさ
何ともいえない愛情を感じた
特に母親が何かをしてあげている訳ではないが
今までそんな優しさに包まれている空気を感じた事はなかった
よほどの愛を持っているのだろう
そんなオーラが出せるのだから
素敵な人がいるものだと思った
雨水
そいつはこう答えた
大丈夫なわけないだろっ
昔の職場の後輩におかしなやつがいた
そいつは雨水で手を洗い
止めようとするとこう答えた
「大丈夫っすよ」
なにも大丈夫じゃない
汚い
余計汚れる
こっちが汚れる
そして挙げ句の果てにガラスを拭くクリーナーで手を洗っていた
相当頭がいってる
他にも驚き発言をしていた
「納豆って糸引かないっすよねえ」
なんと混ぜて粘りを出す事を知らなかったのだ
そいつは粘らないまま食べていた
脱帽だ
そんなそいつも今やパパになっている
子供に雨水で手を洗わさない事を祈る