常連客ではない | ベルトゆるめ過ぎな人

常連客ではない

その日も
ラブホテルが建ち並ぶ
駅の路地裏の小道を歩いていた




この春
仕事でマンスリーマンションに
1ヶ月滞在していた

そのマンスリーマンションがひどい所で
周りがラブホテルばかりのそのまた中心にあり
建物は映画にでも出てきそうな
ボロい雑居ビル
そしてなんと1人用とも言える狭いエレベーターに
閉まるのボタンがないっ
開けるはあるのに

いつも乗り込んで変な間を待たなければならない

妙に安いと思ったが納得

そして職場には近かったので良かったが
たった5分の距離に難関があった


ラブホテルの周りをうろつく中国人女性だ
この人達はうっとおしいが面白い

いつも

「お兄さん遊んでかな~い」

と満面の笑みで来るが
断って通り過ぎると

「チッ 安いのにっ 」「ちょっとぐらいいいじゃないっ」

と背中に罵声を浴びる
振り返ってみると鬼の形相だ

そこを通らないとすぐに帰れない
毎日通ってるので豹変ぶりが更に面白い

そしてその生活も終わろうかとしたある日の帰り道
いつものように声をかけられた
若作りしているがおばちゃんだ

断るとそのおばちゃんは何かに気付いた

「んっ あなたいつも来てるね~」

「ワタシの事キライ~?」


(こいつ常連だと思ってる)
(俺の家がすぐそこなだけじゃい)
(そしてアナタはキライ)

あまりに通っていたので顔を覚えられたみたいだ
まだ若くてキレイな娘ならまだしも
なぜ不細工目のおばちゃん


もうあの路地を通る事はないのだろう