企業主催セミナー ~岡田監督~  2010年10月24日 | 千葉市ではたらく社長のブログ
【mixi日記より】  2010年10月24日

アウトプットの場として、mixiやブログを活用して約10カ月程経過。
昨年まではmixiに書いていたのが、アメブロにリンクされるように設定したら、
過去のデータベースにアクセスしにくくなったので、自分用に少しづつ転記していこうと思う。

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先日取引のある会社が主催するセミナーに招待して頂いた。
講師は岡田監督で演題は「チームマネジメント」
先日のカンブリア宮殿といい最近は岡田監督に縁がある。

話はやはり日本代表監督の時の事がメイン。

凄く生真面目な人かと思っていたけど、笑いもあるし冗談もいう人で少し意外。
サッカーが本当に好きで、サッカーの監督として自分に何が出来るのかを
真剣に考えている人だった。

サッカーの為に、サッカー以外の勉強をしていて、
生理学、生物学、経営学、座禅、色んな経営者のセミナーやら、
考えられるものは何でも取り入れたとの事。
カンブリア宮殿では、走り方の改善の為に、ある大学の陸上部の先生に
指導して頂いたりと、目的を達成する為に枠にとらわれず、
真摯に向かって行く人に感じた。

下に講話の内容を思い出せる限り残したけど、
中でも印象に残った事は、

村祭りの酒の話し。
自分一人位サボっても大丈夫だろうと皆が思う身勝手さや、
人数が多いからバレ無いだろうと思う浅ましさ。
それがどんなに恐ろしい事か。

追い込まれた時に入るスイッチの話し。
この恵まれた日本の環境ではスイッチは入らない。
だからこそのスポーツや文化なんだと。
日本のスポーツの低迷や不景気はそのなのかもしれない。
自分自身でどれだけ追い込めるか。
よく昔の上司に、
「命まで取られないんだから、必死にやってみろ」と
言われていたのを思い出した。

Educationの語源の話し。
子供の能力を引き出すという意味からきている。
教えやらせるだけでなく、才能や能力を引き出し、活用させる事。
これは自分の仕事を教えるスタンスとマッチしていて、ナルホドと思った。

話は色々と大きくそれたりしながらも芯がぶれていなく、
あっという間の時間だった。
お連れした友人や元同僚も少しは満足してもらえたようでよかった!

そうそう、
もし先日のカンブリア宮殿を録画した人がいたら一報もらえると嬉しいです!

~~~~~~~~以下メモを頼りに思い出しながら書き起こし。~~~~~~~~~~


日本代表監督の時は自分を外国人監督のように、テレビや新聞等は見ないようにしていた。


今回のワールドカップ半年前位から、主力が調子を落としていた。
直前には戻るだろうと、コーチ陣とも話していたけど、一向に上がって来ない。
重圧のせいでもある。やはりワールドカップは大きな重圧で
修羅場をくぐっている選手でも負けてしまうのか?
そう思っていたら、闘莉王に言われた。
「監督、プレッシャーは絶対有りますよ。
だって、今調子落としているのは真面目に考える奴じゃないですか。
見て下さいよ、今調子落としていないのは 俺(闘莉王)、長友、大久保・・・・、
普段何にも考えて無い奴じゃないですか!」

そんな冗談も有りながら、それなら調子が悪いのを待つにしてもどこまで待てるのか。
どこで線引きして起用の判断や、闘い方を変えるのか。
それを決断をするのは1回の大きな決断では無く、手順を踏んでやっただけ。


そして戦術に関しては色々な可能性を試したが、しっくり来るまで何回も考え抜いた。

結局今回選んだ作戦は、
旧来 中盤を4枚

変更 中盤を5枚

というあまり聞かないフォーメーションに変えた。
だが、変更前後では見違えて変わった。
この5枚を思いついた時、夜中の3時だったがコーチに電話して、
「寝てたか?」と聞いて集めて、眠気眼なコーチに反対されながらも、貫く事に決め試して成功。
余談ですが、うちのコーチ陣で寝てるか?聞いて寝てましたと答えるコーチはクビですけど、
頑張って起きて来て次の日コーチは寝坊してました(笑い)


人間と言うのは神経が研ぎ澄まされ、集中してくるととてつもない力を発揮する。
ゴルフの何かの大会で優勝した選手が、○番ホールからの記憶が無い。
普段は 1+1が=2だが、こういう時はそれが3にも4にもなる。
そういうゾーンに入るにはプレッシャー(圧)がかかって入るもの。


何年かJリーグの監督をやっていて途中で辞めた事があった。
理由は何度か優勝もさせる事ができ、やったきたが、
ロジカルや理屈で納得させてやらせても自分のやりたい事と違うように思えた。
理屈は確率論だから、正しい理屈であれば大方成功できる。
でも、俺が本来やりたいサッカーは、選手たちが、
「目を輝かせてプレーするサッカー」であってその狭間での葛藤があった。

そして今回のワールドカップの前もオシム監督が倒れ、
この葛藤を解決する秘密の鍵も見つかっていないのに、絶対に引き受けちゃいけないと思った。
ましてや代表監督は負けたら、自分の国には住めない覚悟でやらないと駄目だと思ったはずなのに決意した最大の理由は
無性に血が騒ぎ「この現実から逃げては行けないと思ったと」、悔しさの気持ちで受けた。
家族にも驚かれた。

実際チームも自分が見る時間も無く、予選を迎え状況は良くない中で、
同じ雨が降った後でも、空を見て綺麗な空だと感じるのか、
地面を見て、水浸しでイヤだと感じるのかで違ってくる。

監督とは決断する事。時に全員が反対しても1人で決めなくてはいけない時がある。

人はどん底で開き直った時に無心になれる。
97年の最終予選前に命をかけてやれる事をやって駄目だったら、
俺を監督にしたJFAの会長が悪いんだ。と開き直った。

人間は強い遺伝子を持って生れて来ている。
最近の若い人たちがとやかく言われるのは、
この便利・快適な社会の中でスイッチが入らないから。

そのスイッチを入れる為に、常にぶれない目標でチームにその意識を浸透させた。
「目標はベスト4」
最初は数人の選手しか真剣にその目標に向かっていなく、
キャンプを抜け出す者や、体調の管理を怠る選手。
手紙やDVDや口頭で伝え続けた。
そうして行くうちにワールドカップ前には全員の選手が、
真剣に同じ目標に向かって行けるように変わってくれた。

日本での自殺者は3万人を超えている。
生きている意味があるのか、これなら死んだ方がマシだと考えるのかもしれない。
世界中では飢餓で無くなる方は日本の自殺者よりもはるかに多いのに自殺者はいない。
そういう追い込まれた中で生きている意味なんて考える余裕すらも無く、
ただただ生きる事に精一杯で行きたいと思いながらも死んでいく。
だからこそ豊かな国にはスポーツでも、文化でもなんでもいいから自分が
打ち込めるものが必要なんだ。

自分は弱い人間だから情に流されないように、
飲めない事は飲まないとはっきり言う事にしている。
そして、今やらなければ本番でも出来るわけがない。
有名ないい選手だから、調子が悪いけど情けで本番に使う。

精神論かもしれないけど、必死に考えてやっていると最後に御褒美をくれる。
今回のワールドカップにかけていた、ナラや俊輔をレギュラーから外すのは心が痛む。
まさに鬼の所業。だが、情に流されていては本体まで悪くなる可能性がある。
ナンパ船と同じで、脱出する為に全員が乗れないボートがあったとしたら、
私なら迷わず、調子のいい選手から乗せて脱出する。
嫌われたり、非難があっても必死にやるしかない。


どこのチームにいっても必ずやる事は、
・共通の目標を作る事
そしてそれを言い続ける。
・哲学(フィロソフィー)を持つ事。
【Our Team = 自分のチーム】
大勢いるから自分がやらなくても誰かがやるだろう。やってくれるだろうではだめ。
自分がやる。自分でやる。

【Concentration = 集中する 専念する】
あるパネルディスカッションに出席した時、
女子サッカー部に所属している大学生にこんな質問をされた。
Q、自分の思い通りに出来ないのはチームが合ってない。
  留学をしたいけど、お金も無い。
  自分はどうすればいいか。


自分の今、目の前に出来る事に集中して専念しなさい。
育ててくれないとか、教えてくれないでは駄目。
何かしてくれるのを待っていては駄目。
それが必ずあるはずでそれを理解もせずやりもせずでは目の前は開けない。


【Education = 教育】
このEducationの語源はラテン語で、「子供の能力を引き出す」という意味。
ひとつの戦術で「パスで回す」、守り方は「このフォーメーションでこの立ち位置」と教えるが、
その戦術を活かすのは選手たち。
自分達のプレーでパス回しがうまくいっている場面だけを集めたVTRを作り、
その中に一場面だけいいドリブルの場面を入れて編集する。
それを選手たちと見ている時、ぼそっと「このドリブルはいいね」というと、
選手は「あぁ、ドリブルもいいんだ」と思い、選手は実践できる。
要はパス回しの基盤に変化に応じたドリブルもいいんだと思う事で応用も出来るようになる。
監督の指示をベースに判断し変化する。

「勝負の神様は細部に宿る」と信じている。
運はどこにでも流れていて、誰でもチャンスがある。
そのチャンスを掴む為には、
「ここまでダッシュといったら、その1m手前では駄目、あくまで『ここまで』なんだ」
勝負で負けた時の8割はどっかで誰かがサボったから。
ワールドカップ前サボった選手に「ワールドカップへ行けなかったら、それはお前のせいだ」と、
選手にきつく言って来た。

「村の祭り酒」という話があって、これを良く選手に話してきた。
毎年豊作を祈る祭りで樽酒を用意していたが、とある年は貧乏で酒が買えず、
皆で家から少しずつ持ち寄って、樽酒を作ろうと皆で集め、
いざ祭りのとき樽酒を割って飲んだら、ただの水だったという話し。

自分一人ぐらい水を持って行っても分からないだろうと、全員が思っていた話し。


見極めが肝心
サッカーグランドの芝はベロンと剥がれても、すぐには戻さない方がいい芝に育つ。
剥がされてしまってからすぐに戻してあげると、強いいい根をはらない。
だけどほっておいて自分で自生すると強い根が出来る。
マリノス時代に、グラウンドキーパーがこんな事を言っていた。
「監督、見て下さいよ。あの剥がれた芝、茶色くなって枯れたフリしてますよ!」
そういって、グランドの芝を全部枯らせていた(笑)