国語便覧 名作の書き出しを読む の4回目
いづれの御時(おほんとき)にか、女御、更衣
あまた候(さぶら)ひ給(たま)ひける中に、
いとやむごとなき際(きは)にはあらぬが、
優れて時めき給ふありけり。
「源氏物語」 紫式部(物語 平安時代)
意味
どの帝の御代であったろうか、女御や更衣が大勢お仕えなさった中に、たいして高貴な家柄ではない方で、特別にご寵愛をお受けになる方がいた。
エピソード
紫式部は”物語の人“であると同時に、かなり生身で面白い人物
①物知りすぎて「生意気」と言われた少女時代
紫式部は、父・藤原為時から漢文(本来は男性の学問)を自然に学び、兄よりも早く理解したそうで、父も感心しつつも「この子が男であったなら・・・」と嘆いたとか
この「女性なのに才がありすぎる」経験は、源氏物語に登場する聡明で内面豊かな女性像(紫の上など)に色濃く反映されている
②ひっそり描いていた源氏物語が、宮中で大評判に
紫式部は夫に先立たれた後、娘を育てながら私的に源氏物語を書き始めた考えられている
ところがその物語が評判になり、一条天皇の中宮・彰子(しょうし)に仕える女房として宮中へ
宮中では
・続きはまだ?
・次はどうなるの?
と 源氏物語は連載小説状態
読者の反応を間近で感じていた点は、今のブログやSNSにも通じるところ(日記的に書くけれど、読まれている喜びがある というところ 皆様はいかがですか?)
③清少納言との”静かなライバル関係“
同時代の才女・清少納言について、紫式部は『紫式部日記』でかなり辛口
「才走り(才気が先走って)軽々しく」
と評している
清少納言が明るく外向的なのに対し
紫式部は内省的で人間の「心の闇」や「業」を見つめるタイプ
この性格の違いが
枕草子=きらきらした日常
源氏物語=心の深層ドラマ
という作品の違いにもつながる
④源氏物語は”恋愛小説“ではなく”人生小説“
紫式部自身 決して恋多き人生ではない
だからこそ源氏物語では
・愛されることの不安
・年老いる悲しみ
・取り返しのつかない後悔
・人の心がすれ違う痛み
といった
時間が積もっていく人生そのものを描いている
光源氏も完璧な英雄ではなく
読み進めるほどに「罪」や「孤独」を背負っていく存在である
⑤「物語は人の心を慰めるためにある」
紫式部は 物語を書くことについて
人の心の奥を語り 慰めるもの
と考えていた
源氏物語が千年経っても読まれる理由がここにある
いかがでしたか
ライバルあってこその
才能の開花といったところでしょうか
皆様には よきライバルはいらっしゃいますか
いらっしゃいましたら
お聞かせください
今週は引越し準備 ラストスパート
大相撲も気になるけど
頑張れ❗️熱海富士‼️
それでは、また。感謝。
