さて、経済のことをちょっとだけ考えて話す企画、、1回書いてもう挫折しそうでした。

しかし、それも何なので・・・。
週末話題だった ロムニーさんのF1040について、、ちょっとだけ見てみました。
F1040とはUS.CPA受験生にはお馴染み、アメリカの連邦所得税申告書の事です。
何が話題だったかは、概要はWSJの記事を見てもらうとわかるのですが。
なお、日経新聞の9月22日の記事によれば、ロムニーさんは財政赤字縮小派で、しかしながら、法人税、所得税は減税するとしています。彼の主張を知っておくと、このF1040も多少違った視点で分析できるかもしれません。

ロムニーさんの所得は1369万ドル
簡単に概要を説明すると、ロムニー夫妻の2011年の所得は約1369万ドル(約10億7000万円) で、連邦税の実効税率は14.1%でした。なお、2010年も実効税率は13.9%と実行税率の低さが目立ちます。 超の付くお金持ちですから、支払っている額は莫大ですが、この実行税率が低い点は、アメリカ国内でも当然ながら批判が上がっています。
WSJの記事によると、ロムニーさんは「今回2009年までの20年間の納税記録の概要をまとめた会計士からの書簡も提示した」そうです。

寄付控除とキャピタルゲイン税の優遇
新聞等で言われているのは、チャリティによる多額の控除とキャピタルゲイン税要因です。
アメリカでは寄付全体に対して、「調整所得(AGI: Adjusted Gross Income )」の50%を上限に適格団体への寄付には寄付控除(Charitable contribution)できます。
(但し、上限は現物寄付の場合は長期のキャピタルゲインプロパティだったら上限は30%と変更になります。この辺りのルールはややこしいので、気になる人はUS.CPAのテキスト等を調べてみて下さい。)
なお、調整所得(AGI)は、 大雑把に言うと、総所得から直接控除できるものを除いた所得です。
ロムニー夫妻は、詳細といいつつ財団とか作ってしまって一括で寄付しているので実体がこれでは見えずらいのですが、高額の寄付をしています。この財団に関しての収支も報告されていますが、ちょっと見る元気はありませんでした。(中途半端で済みません。)

Itemized16

Itemized23

なお、イメージに Miscellaneous deduction  の詳細も載せていますが、
scheduleA のLine23 Miscellaneous deduction は、US.CPA受験の際は、「投資関連費用、投資利息以外の具体的に貸金庫とか投資相談料とか投資関連専門誌の購読費用を控除できる」と覚えてました。
この23行目のご夫妻の費用は、$1,106,200。最終的には「調整所得(AGI)」の2%超過分のみ控除できる仕組みですが、それでも控除額は$832,261(6500万円)。これは豪快な・・・。
アメリカでは個人は長期保有のキャピタルゲイン(例えば1年超保有した株式の売却益)を得ると軽減税率が適用されます。(ただ、15%なので、これだけではロムニーさんの実効税率に近づけないでのですが。)
そのキャピタルゲインを生むための労力にお金使っても税金減るし、キャピタルゲインは優遇されるし、超の付くお金持ちにはアメリカは大変住みやすい国なのでしょう。 

不親切な公開?

なお、この申告書一式は、1年分で379ページです。
私はちょっと見ただけ力尽きました。 
そもそも所得の源泉が、外国所得とかパッシブインカムと多岐に渡り、多方面で収入を得ています。とりあえず関連書類が多過ぎて、詳細を分析するにはもっと時間と労力が必要そうです。
追い打ちをかけたのが、何と「斜め」にスキャナされていて、スクロールしているうちにちょっとイライラさせられます。大量の文書ですが、文字検索にも対応しておらず、詳細な分析には骨が折れそうです。(印刷しちゃった方が早いでしょうね。)
実行税率の低さ以外にも、今後の税制の行方に関して、色々と突っ込みどころはありそうなのですが。
なお、オバマ大統領のF1040は綺麗にスキャナされており、48ページと圧倒的にシンプルに仕上がってます。(ただ、こちらも文字列検索は無理ですね。)
しかし、圧倒的に分析題材として興味深いのは(特にTAXの受験勉強を終えた後では)ロムニー候補と言ったところでしょうか。

中途半端な分析で申し訳ないのですが、今回はこれで終了します。