新庄城跡
新庄城は出羽国、現在の
山形県新庄市にあった城です。
掘と土塁と表御門
新庄駅方面から見た城
道路より手前は侍町があった場所です
侍町跡
航空写真を見るとこの道は戦後になってから作られた道だと判明
武家屋敷があったとされているが面影はないが
道が折れ曲がったところまでが屋敷跡で
堀を挟んだその先が城下町だったと思われる
土橋
橋ではなく堤のような形をしています。
しかし、この後出てくる絵図には橋として描かれていました。
奥が本丸です
土橋から北西側を望む
右側は二の丸跡
奥にある建物は新庄中学校
その先に三の丸があったらしい
戸澤神社
廃城となった後に創建された
戸澤とはこの地に置かれていた新庄藩藩主の
戸澤氏のことです
詳しくはこっちを見てほしい
最上義光で有名な最上氏が江戸時代初期に
お家騒動を起こし改易されました。
その後、山形藩の所領のうち
村山・新庄を治める新庄藩が設立され
最上氏家臣鮭延氏の居城の鮭延城(真室城)に入りました。
しかし、山城だったためかすぐに幕府に嘆願し
当時、沼田城と呼ばれていた城を改築し
新たな居城として移り住みました。
これが現在の新庄城です。
元々あった沼田城は天正(約1580年)頃に
日野氏によって築城された城らしいのですが
詳しいことは調べましたがよくわかりませんでした。
館と表記されているところもあったので
相当小さな城だったのでしょうね
戸澤氏は常陸松岡藩(現在の茨城県高萩市)から
やってきたわけですが元々は東北に本拠地を置く武将でした
城の絵図
城が廃城となる前の様子を知る者の話と記憶を
もとに描かれたと言われている。
戸澤氏は元々、雫石・角館を治めていた。
歴史の表舞台に出てくるようになるのは安土桃山時代
戸澤盛安の時代で仙北を平定し
小田原の北条攻めにも参陣した。
その後、関ケ原の戦いでは東軍に味方するも
対上杉軍の対応を問題視され常陸松岡(高萩)へ異動となる。
表…
表御門
表御門の石垣
新庄城で一番の遺構ともいえる
関ケ原の戦い後、戸澤氏は急速に徳川家側に接近するようになる
その結果、大坂の陣では江戸の守備を任され
外様大名だったのが譜代大名に格上げされた。
松岡藩から新庄藩に移動した戸澤氏は
その後異動することなく新庄の地を治めることになります。
本丸内にある護国神社
江戸時代末期になると江戸幕府が大政奉還し
東北では反抗する勢力で奥羽越列藩同盟が結ばれ
新政府に対抗する勢力となった
最初は新政府に呼応する勢力と共に
庄内に攻め込もうとするも攻め入る前に迎撃され敗退する。
その後は旧幕府軍勢力に与するが
久保田藩(現在の秋田市)へ流れたことを発端に
奥羽列藩同盟に反旗を翻した。
これに対し庄内藩は新庄へ軍を進め
新庄城はこれに対抗するも落城し
新庄は庄内軍に占領されました。
そのため藩主の戸澤正実は久保田藩へ逃れました。
この戦闘によりほとんどすべての
建物と城下町も失われました。
新荘護国神社
全文読めませんが
平安京から大宰府に左遷される前に
菅原道真が読んだ歌だと思います。
何故ここにあるのか当時はわかりませんが
その隣が天満神社ということなので
それが理由ですね。
私が都を離れてもこの梅は春を忘れずに
春になれば咲くだろう
っていうやつです。
違っていたらすみません。
天満神社
ほとんどすべての建物が失われたと言いましたが
例外がこの神社です。
藩時代を知る唯一の建造物です。
昭和21年航空写真 米軍撮影(国土地理院航空写真)
今では城の周りは住宅がありますが
このころは城西側(写真だと上側)は田んぼが広がり
それ以前は天然の要害だったのかもしれませんね
そういえば天守があったみたいですが
1600年代にはすでに落雷により焼失しており
記録にもほぼ残っていないそうです。
跡地には碑が建てられています。
新庄との位置関係(国土地理院地図より作成)
新庄から久保田に逃れるって結構距離ありますが
よく無事でしたね
この時、盛岡藩は旧幕府側でした
城とは全く関係ないのですが
雪道にはこういう落とし穴があるので注意しましょう
＊自分は落ちてないですよ 断じて＊
城下町
紙漉町(かみすきまち)
藩にも献上する紙を漉いていた場所らしいです
その向こうには川があります。
戸澤神社のお守り
2022年1月23日撮影 山形県新庄市
8年ぶりに城跡記事を書きました。
初めて積雪している時期に訪問しましたが
土塁跡とか見るならやはり冬はダメですね。
ただ勾配があんまりないので
坂道で滑る心配が(体感では)ないので
その辺はよかったです。
遺構は堀と土塁など多く見れて満足です。
完結