2011年1月27日


今日から連休。



朝方寝たのもあり、起きたら午後もいい時間。



特別予定も入れてないし、家で過ごしていた。



彼と付き合うようになってから携帯を常に手元に置くようになった。



そうしていつでもメールに返信できるように、また彼が教えてくれたサイトを見ていた。



今日もサイトをチェックする。



そこで微かにわかる彼の気配。



今、ワタシ達が繋がっているのはココだけ。


しかもそこでもやり取りは出来ない。


そこには当然嫁もいるから。



何も出来ずただ携帯を見つめていたら、段々腹が立ってきた。



なぜワタシがこんなにもボロクソ言われなきゃいけないのか。


嫁が気づいてないだけで彼が浮気をするのは今回が初めてではないのだ。


他にも色々悪さをしてきたのになぜワタシだけがバレたのか。


なぜ彼は詳しい話をしてくれないのか。


説明を聞く権利がワタシにもあるはず… 。



我にかえる。
自分の行いを棚に上げて何を言っているんだか。


最低だな、ワタシ。





一人過ごす休日は寂しい。


その寂しさを埋めるべくある男にメールをする。


彼を仮にKと呼ぶ。
Kも高校のクラスメイト。

卒業してからも連絡は取り合っていた。


卒業後に会ったことがあるのは一度だけ。


あとはメールのみで近況報告したりされたり、メアドが変われば連絡したりと、彼ほどではないしても付き合いがあった。



離婚したとき当然Kにも知らせた。


そこからメールのやり取りが増え、内容も今までとは違った方向に進んでいた。



Kはワタシと寝ようとしていた。


初めはお決まりの下ネタトークだった。


ワタシもその手のノリは嫌いじゃないので付き合った。


でも、段々ネタじゃないのかも?と思わせる内容になってきた。


やんわりかわすようになったワタシにしびれを切らせたKは直球を投げてくるようになった。



ことあるごとにしたいヤラせろと言う。
挙げ句の果てにすると約束したのにどうなってるのかとなじられる始末。

そんな約束した覚えもないのに。



面倒臭くなった。



手に負えなくなって「彼が出来たからアナタとはできません」というメールをしたきり無視していた。



誰でもいいから今ワタシと繋がっていて欲しかった。
久しぶりの挨拶と共に彼と別れたことを知らせてみ。



即返事がきた。



まだやる気は失せてないらしい。



彼と別れた寂しさから逃れたいのと、彼に対する腹いせのような気持ちからKと会うことを決めた。


会うということが何を意味しているかもちろん理解した上で。



明日の夜、Kの住む街の駅で待ち合わせ。


これで少しは彼を忘れることができるのだろうか…。



夜中見知らぬ番号から電話がきた。


不思議に思いつつも出てみる。



「もしもし」



聞き慣れた声。



彼だ。


仕事が終わり、職場からかけてきたらしい。



「結局25日が最後になったねぇ」


悪びれた様子もなくいつも通りに話す彼。


ワタシもつられて今まで通りに答えた。



ここで初めてバレた詳細がわかった。



メールを見られた。
言い逃れ出来なかった。


ということだった。



なんともあっけない幕切れだろう。



一年以上うまくやってきたのに、ここへきてこんな初歩的なミスで終わりがくるなんて…。



電話を切る間際彼の言った言葉に涙が出そうになった。



「もう会うことも無いだろうけど元気で。」



そっか、もう会えないんだ。



「じゃあ…。」



名残惜しい気持ちを押して電話を切る。



本当に終わりなんだ。



明け方彼への想いをある場所へ載せた。



明日、好きでもない男と寝るワタシの本心を吐き出したかったし、言わずに我慢していたことを知って欲しかったから。



どうかいつか彼が気づいてくれますように…。
2011年1月26日


頭の中はずっとこのことを考えてる。


考えたところでどうにもならないことはわかってるけど。


働かない頭のまま、じっとしてるよりはマシかなと仕事へ。


同僚達とたわいもない話しをするとちょっとは気が紛れた。


あとは黙々と仕事をこなす。


昼休み、携帯を開く。


その途端、現実に戻された。


今日も嫁からのメール。


返事をするのを躊躇った。

とりあえず見なかったことにしよう。
返事をするなら仕事終わってからだ。


食欲もテンションも下がったまま、午後の仕事をこなす。



3時休憩。

恐る恐る携帯を開く。


やっぱりメールが来てる。


返事をしなかった件に自己解決したようだった。



ハァァ。


溜め息が出た。



定時まで仕事をこなし、帰宅しながら携帯を開く。



彼と共通の友人からメールが。


嫁が連絡したらしく、今回の件についてワタシと彼に送られたものだった。



「大人なんだからもうちょっと上手くやれよ。友達減らしたくないんだから」



申し訳ない気持ちになった。


巻き込んでしまったことに詫びのメールを送った。



「申し訳ない、全てワタシが悪い。こんなアホは見切りをつけてくれて構わないよ」



「そんな水くさいこと言ったら埋めるよ。また皆で遊びに行こう」



凄く嬉しかった。


こんなことになってもまだ友達でいてくれる人がいる。


ありがとう。



この友人と週末に会う約束をした。



昼間留守電に携帯ショップからメッセージが入っていたことを思い出す。


それは予約していた機種が入荷という知らせだった。


ショップに寄る。


だいぶ使い方込んでいたためボタンが取れたり、カバーが外れてたり、充電器が壊れたりとアチコチやれていた。


でも、それよりもこのまま使い続ければ今まで彼とやり取りしてきたメールが消えていってしまうことがなにより悲しかった。


リセットする為と、思い出を守る為に機種変した。



新しい携帯に彼からの連絡は来ないだろうけど…。


新しい携帯をいじりながら過ごす夜。



いつもなら仕事中の彼とメールしながら過ごしているのに。


連絡は当然来ない。
夜が長く感じた。



突然携帯が鳴る。



名前を見て鼓動が早くなった。



彼からだ。



声のトーンから仕事中どこかに隠れながらかけてきたようだった。



短い会話をかわす。



まだ嫁からメールがきているか?

面倒ならスルーしてよい。

ワタシからは、
嫁の質問にこう答えておいたということ。

昼間メールが来てたということ。


「わかった、ゴメン。それじゃ」



本当に短い会話。



この電話がかかってきたことで余計な期待をしてしまった。



嫁からのメールには、

彼宛てのメールはすべて嫁に転送されること、
通話も相手がわかる明細書を申し込んだこと、
履歴もアドレス帳もマメにチェックを入れることが書かれていた。



それなら、職場から電話すればバレないんじゃ…。


詳しいことが依然わからないから説明してくれるかも…。



彼の仕事が終わる時間まで携帯を手に待った。


2時…、3時…、4時…。


5時になった時、溜め息と共に携帯をおいて眠りについた…。

2011年1月25日 朝。


彼と別れ帰宅。


いつもなら家に着くまでの間メールのやり取りをしてたけど、この日はなぜかしないほうがいいような気がして全くしなかった。


家に着き、眠りにつく。


午後に目覚めノンビリ過ごしていた。



彼の休みの日にはメールは来ない。


来たとしても家族が寝静まったころ。


今日もどうせ夜中にならなきゃ来ないだろうと思っていたら、夕方に電話がかかってきた。


珍しいな、なんだろう?
と思いながら通話ボタンを押す。



「もしもし、どしたの?電話なんて珍しいね」



呑気な私の問いに今まで聞いたこともない神妙な声で彼は答えた。



「ゴメン、バレた。もう会わないから」



「わかった」



一言だけいって即電話を切る。



ついにきた。
最悪の結末。



唐突すぎて即電話を切ってしまったから、何が起きたのかわからない。



あの短い会話からわかることは、ワタシ達の関係が嫁にバレたということ。


そして、この時をもって終了ということ。


この二つだ。



呆然としているなか、メールがきた。


見覚えの無いアドレス。
もちろん登録していないもの。


もしかして彼から?と思いつつ開く。


見た瞬間、一瞬にして背筋が寒くなった。



彼の嫁からだった。



一度だけ彼の嫁に会ったことがある。


それはまだ彼らが結婚する前のこと。


ワタシ自身も既に結婚していて彼に対する思いもただの友人だった。


長い付き合いの友人。
嫁から見てもそうだったろう。


今まで直接連絡を取り合うことはなかったけど、存在は知ってる。


逆にそのことが嫁のショックを大きくさせたようだった。



メールの内容は、


・信じてたのに裏切られた

・二度と彼と連絡をとるな

・守れないなら訴える

・いつからなのか

・どっちが誘ったのか

・何回したのか

・どんなメールをやりとりしてたのか

・私(嫁)のことはなんて言っていたか


等。



なんて答えていいか悩んだ。


彼と全く話せてない分、彼らサイドでどんな風に話が進んでいるかもわからない。


そもそも何がキッカケでバレたのかさえわからない。


下手なことを言えば彼が困ることになる…。



とりあえず答えられることには答えとこう。


全部ワタシが悪い。
これならどんな話しになってても困らないはず。



そんな嫁とメールのやり取りの最中、彼かある手段で連絡をしてきた。



そこにはこう書かれていた。



「今月から始めたことにして。連絡は前からしてた。メールはしないで。ごめん、迷惑かけるかも」



これに対して返事をしてもいいものか。
多分嫁がチェックしてるはず…。


悩んだあげく、見られてもいいような返事を出してみた。


「件名 こんばんわ」
「玽」



これだけ。


即嫁からメール。



「○○さんて二番手。さんかな…」



やっぱり見てたか。



このあとも、嫁からのメールは夜中まで続いた。


それに対してのワタシの返事は、


謝る。

全てワタシが悪い。

ワタシが彼を誘った。

彼は同情からその誘いに乗った。

二度と連絡は取らない。

顔を会わせなければいけないよいな状況の時はワタシが辞退する。

ワタシが如何に駄目な人間であるか。

嫁のあなたが如何に出来た人か。


等。


他人が見たら気持ち悪い内容だろう。


でも、それでいいと思った。


ワタシが罵られへりくだることで嫁の気持ちが少しでも収まるなら。


それで彼の状況が少しでもよくなるなら。


嫁は別れたいわけじゃないだろうし、彼もそんな気はサラサラないはず。


ワタシだって彼らに別れて欲しいと思ってない。




正直なところ、付き合っていた間彼の家族に悪いと思ったことはなかった。


自分も結婚してたことがあるくせに最低だと思う。


パートナーに裏切られる辛さも知ってる。


でも、そんな気持ちがあればとっくにやめてただろうし、悪いとは思いながらも…なんてのは悲劇のヒロインぶってるだけの綺麗ごとだ。



彼が好きだった。
だから付き合ってきた。
ただそれだけ。



でも、それも今日で終わり。



ワタシのこの想いはどうすればいいんだろう…