戦前日本とアルカイダ??? | BOBlog

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 日本はまだまだ大丈夫!

朝日(2007年08月24日06時49分)
「米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判」
 ブッシュ米大統領が22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで行った演説は、自らのイラク政策を正当化するため、日本の戦後民主主義の成功体験を絶賛、フル活用する内容だったが、半面で戦前の日本を国際テロ組織アルカイダになぞらえ、粗雑な歴史観を露呈した。米軍撤退論が勢いを増す中でブッシュ氏の苦境を示すものでもある。
 冒頭は9・11テロかと思わせて、実は日本の真珠湾攻撃の話をする、という仕掛けだ。戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。「日本人自身も民主化するとは思っていなかった」とまで語った。
 退役軍人の会合とあって、朝鮮戦争やベトナム戦争の意義にも言及。すべて一緒くたにして「アジアでの勝利」は中東でも出来る、と訴えた。だが、米メディアは「日本や韓国は国民が同質的であり、イラクとは違う」「歴史から間違った教訓を引き出している」などと批判を伝えている。
 民主党のヒラリー・クリントン上院議員は同日、イラクのマリキ首相の罷免を要求。9月にはイラク駐留米軍のペトレイアス司令官の議会への報告があるが、抜本的な進展は見込まれておらず、かえって一層の批判が予想されている。
 だが、ブッシュ氏が政策転換に踏み切る兆しはない。最近は、第2次大戦末期に登場しながら不人気に終わったトルーマン大統領に「魅力を感じている」(関係者)という。共産主義と戦う姿勢が後世、一定の評価を得たためとみられる。
 テロとの戦いにかけるブッシュ氏だが、今回の演説は日本を含めた諸外国の歴史や文化への無理解をさらした。都合の悪い事実を捨象し、米国の「理想」と「善意」を内向きにアピールするものとなっている。
     ◇
■米大統領演説の日本関連部分(要旨)
 ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。
 アルカイダや9・11テロではない。パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ。最終的に米国は勝者となった。極東の戦争とテロとの戦いには多くの差異があるが、核心にはイデオロギーをめぐる争いがある。
 日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は、人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされていた。イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。
 第2次大戦に着手した時、極東の民主主義国は二つしかなかった。オーストラリアとニュージーランドだ。日本の文化は民主主義とは両立しないと言われた。日本人自身も民主化するとは思っていなかった。
 結局、日本の女性は参政権を得た。日本の防衛大臣は女性だ。先月の参院選では女性の当選が過去最高になった。
 国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、民主化は成功しないという批判があった。だが、日本は宗教、文化的伝統を保ちつつ、世界最高の自由社会の一つとなった。日本は米国の敵から、最も強力な同盟国に変わった。
 我々は中東でも同じことができる。イラクで我々と戦う暴力的なイスラム過激派は、ナチスや大日本帝国や旧ソ連と同じように彼らの大義を確信している。彼らは同じ運命をたどることになる。
 民主主義の兵器庫にある最強の武器は、創造主によって人間の心に書き込まれた自由を求める欲求だ。我々の理想に忠実であり続ける限り、我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう。


こりゃヒドい!
日本の民主主義は戦後米国から輸入したものでないことは「五箇条の御誓文」(明治元年3月14日(1868年4月6日)明治天皇が公卿や諸侯などに示された明治政府の基本方針)と、この御誓文の精神に基づいて制定された「明治憲法」の条文を読めば一目瞭然。
特に、戦後1946年(昭和21年)1月1日の昭和天皇の詔書(いわゆる「天皇の人間宣言」)では、御誓文の条文が引用されてさえいます。

昭和天皇は後に、「それが実は、あの詔書の一番の目的であって、神格とかそういうことは二の問題でした。当時はアメリカその他諸外国の勢力が強く、日本が圧倒される心配があったので、民主主義を採用されたのは明治天皇であって、日本の民主主義は決して輸入のものではないということを示す必要があった。日本の国民が誇りを忘れては非常に具合が悪いと思って、誇りを忘れさせないためにあの宣言を考えたのです。はじめの案では、五箇條ノ御誓文は日本人ならだれでも知っているので、あんまり詳しく入れる必要はないと思ったが、幣原総理を通じてマッカーサー元帥に示したところ、マ元帥が非常に称賛され、全文を発表してもらいたいと希望されたので、国民及び外国に示すことにしました」(1977年8月23日記者会見)と語っておられるのである。


【ご参考】
五箇条の御誓文

一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ
(現代表記)広く会議を興し、万機公論に決すべし

一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
(現代表記)上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし

一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
(現代表記)官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す

一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
(現代表記)旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし

一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
(現代表記)智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし


ちなみに、宮崎正弘さんは憲法改正について、次のように語っておられます。

 GHQが強圧的に押しつけたいわゆる「平和憲法」なるものは、主権損壊行為ですから、したがって法律的に無効であり、日本は「無効宣言」をすれば良いのです。自動的に(法理論的に)、明治欽定憲法に復帰しますから、これを改正すればいい。
 現在討議されている自主憲法の多く、あるいは改正草案の多くが、GHQの占領基本法を御丁寧にも「改正」しようと言うわけです(それは改悪なのですが)から、不法な法律のうえに改正をかさねることになり、恥の上塗りです。

御意!ヽ(´ー`)ノ