竹島の日 | BOBlog

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 日本はまだまだ大丈夫!

2005/3/17

各紙のテーマが一致していたので、産経、朝日、読売の社説を読み比べてみた。

まずは、産経新聞「竹島の日 韓国はなぜ提訴に乗らぬ」
のっけから「韓国に不法占拠されている日本固有の領土、竹島・・・」と強気な産経らしい滑り出し。さらに「政府は竹島問題を国の主権の問題としてとらえ、島根県の取り組みを支援すべきである。」と続く。
この後、百年前の2月22日が竹島を島根県の所管とする閣議決定の日であること、昭和27年に韓国側が一方的に「李ライン」なるものを設定したこと、昭和40年の日韓基本条約にて「調停によって解決を図る」とされたことを背景に、「調停」つまり国際司法裁判所にて「公正な第三者の判断を仰ごう」と主張し、韓国側の感情的な反発を批判している。
一見、得意の「正論」路線の主張ではあるが、甘いと言わざるを得ない。だいたい「公正な第三者」って、国際社会にそんなものはどこにもないよ!そんなこったからホリエモンにのっとられようとしてるんじゃないの?

お次は、「朝鮮日報」もとい朝日新聞「竹島――韓国の皆さんへ」
手紙調の文章で「自分の意見ではなく、架空の誰かさんが言ってますよ」と自分の意見ではないんですよ的な文章に仕立てて主体をはぐらかす得意技で逃げる。
島根県と姉妹関係にある慶尚北道の知事が提携破棄を宣言したことに触れ「反日の熱が高まっているようです」と懸念を表明し、W杯共催といった日韓関係を盾に「日本人もできるだけ騒ぎを大きくしないよう気をつけなければなりません」とくる。騒いでるのは韓国の方じゃないの?
その後はいつも通り「歴史教科書」「植民地支配の歴史」といった単語を持ち出し、韓国の反日感情を正当化してくる。
続いて、「国交正常化」の歳に棚上げにしたという事実をとりあげ、このままウヤムヤにして、韓国の実効支配を推進したいという意図がみえみえの展開。
相変わらずどこの国の新聞か不明である。

比較すると面白いのが、朝日のもう一方の社説「日ロ交渉――56年の意気込みに学べ」
こっちは対露・北方領土問題。1956年の日ソ共同宣言づくりの交渉を詳細に記した日本側通訳の記録を取り上げ、河野一郎全権ら日本政府代表団がソ連の指導部と対等に渡り合う姿を評価した上で、小泉首相の動きの鈍さを「対露関係の打開にみずから動こうともしない」と厳しく批判している。
相手がロシアと韓国ではずいぶん態度がちがうのね。

最後に読売新聞「[『竹島の日』]「事なかれ主義ではいけない」」
百年前の歴史に基づき、戦後の韓国による実効支配は「不法占拠」とする点は産経と同様であるが、今回の条例が「領有権について世論の啓発を図るため」という背景について言及し、「歴史的にも国際法上も固有の領土でありながら、日本人の多くが無関心だったことを考えれば、自然なこと」であり、韓国の反発は「不当な言いがかり」で、韓国政府とメディアに対し「冷静になるよう求めたい」と大人な発言。
さらに、問題の深層は「主要漁場を韓国漁船が占拠し、日本漁船は締め出されている状態」にあるとし、90年代後半の国連海洋法条約の発効(200カイリの排他的経済水域を線引き)以降、韓国政府が政府間レベルの協議に応じてこなかったことを批判し「これでは日韓摩擦は深まるばかりだ。早期に政府間協議を開始すべきだ」と韓国批判の論調。
最後に領有権の正当性に関し、日韓の啓発活動について比較した上で「領土問題は国の尊厳にかかわる基本問題だ。ゆるがせにしてはならない。韓国を刺激しないよう、という事なかれ主義では、日本国民の理解は深まらない。」と日本側批判で締めくくっている。
できれば「事なかれ主義で問題を先送りしてきたことが、現状の日韓摩擦の元凶になっているというところまで踏み込んで欲しかった。ところで、問題を先送りしてきたのはあんたらマスコミにも責任があるんじゃないの?!