ひそかに応援している(笑)東出昌大さんの映画。
録画してあったものをやっと観ました。
老後を島で暮らしている父(小林薫)を訪ねて娘、凛子(三浦透子)がくる。
凛子は、父と同じ教師をしていたが、学級崩壊を招いたトラウマがあり、
派遣で事務をしていたが、教師に戻るか悩んでいた。
また、母が島で亡くなったことを「医療が十分でない島に来たからだ」と思っていたけれど、実はそうではなかったことを知る。
島の居酒屋のおかみが浅田美代子さん。実によい味を出していました。
東出さん演じる憲二は、妻子を豪雨で亡くしたトラウマを抱えていた。
しかも自分が送り出してしまっていたから、尚更だ。
義父にも嫌味を投げかけられる日々。
漁師の自分をいつも息子が黄色い風船を上げて待っていたことに習って、
毎日黄色い風船を物干しに上げていた。切ないルーティンワーク。
「忘れる事が怖い」
憲二の気持ちは、よく分かった。
義父が冷たい言葉を投げかけていたのは、「自分の人生を考えて欲しかったからだ」という事も、理解できた。
感動を押し付ける感じでは無く、淡々と進む。
憲二が立ち直るでもなく、
凛子が島にとどまるでもなく、
少しだけ前に進めた感じで終わるのが、
リアリティがありました。
東出さんの表情が良かったですね。
回顧シーンで、家族団らんのシーンがあって、その時の表情との違いが、
本当に憲二の感情を表していて。
「とべない」は「とどまる」こと「変わらない」こと、なのかな?
もう1回観ようと思います。