脚本家の坂本裕二さんのお話です
「以前車の運転中に赤信号で停車しました。
前にトラックが止まっていて青になっても動かないので、クラクションを鳴らしました。
それでもトラックは動かずどうしてだろうと思っていました。
ようやく動き出した後に
横断歩道に車椅子の方がいらした。
トラックはその方が渡りきるのを待って
いたのですが、見えなかった。
それ以来クラクションを鳴らしたことを
後悔し続けました。」
10年あまり考え続け
映画「怪物」の脚本を書かれたそうです
そしてその結果
カンヌ映画祭で脚本賞を受賞されました
私たちにはいろんな悩みがあります
悩みの多くが人間関係だそうです
日々の生活の中で
職場、学校、家庭、友人間でも
意思疎通がうまくいかず
すれ違い、誤解が生まれ
マイナスの感情が心の中に溢れたり
どちらかが一方的に悪いわけでもないのに
なぜか大きくこじれ
周りを巻き込んだり
修復不可能な悲惨な結果に
陥ってしまうこともあります
なぜこんなことが起こるのでしょう
色々原因はあると思いますが
その中のひとつは
それぞれの立場での
先入観、思い込みがあるのかもしれません
人はどうしても自分の都合のいいように
見たいようにフィルターをかけて
現実を見る癖があります
ありのままを見ているわけではありません
自分だけの真実の世界をつくり
それが全てだと思い込んでしまいます
思わぬ結果になると
このせいで、この人のせいでこうなった!
この人が私にこんなに嫌な思いをさせた!と
得体の知れない"怪物" を作り上げてしまいます
一つの出来事でも
人それぞれの違う視点で
全く異なる世界を見ています
どう見ても四角じゃないか!
いや、これは円柱でしょ!
自分はどの角度から見ているのでしょう
自分の正しさを主張するだけでは
ずっと平行線のままです
違う!違う!と顔をしかめ
非難する、変えようとする、切り捨てる
理解しようとせず、大騒ぎする
そして自分も "怪物" になってしまう
一人ひとり、当たり前に、全く違う
物の見方も感じ方も、やり方も全く違う
一人ひとりの中身は宇宙のように広い
自分に余裕のない時ほど
自分との違いを不快に感じてしまいます
でも逆に
違いを大切にするという意識を持てれば
異なる事で上手くいったり
徹底的に違うからこそやってくる
気づきや楽しさ、喜びもあります
「違うよね、それを承知でつきあうよ。」
という土台を忘れがちです
あなたはそうなんですね
わたしはこうなんです
それで上手くやりましょう
仲良くいきましょう
世界は広くて、本当はそういうところです
そして人間関係で問題が起こる
もうひとつの原因は
人間はそれぞれ多面的でとても複雑なこと
自分の心も人の心も一生かけてもわかりません
完全な善人も悪人もいません
凶悪犯が通りすがりの困っている人を
助けることもありますし
社会的に立派だと思われている人が
魔がさして愚かな事をしてしまうこともあります
誰しも天使と悪魔を合わせ持っています
昔と今、あの時、この時
常に変化します
常にゆらぎながら生きています
簡単にその人を断定できません
なんでこんな事言うんだろう、、、
なんでこんな事するんだろう、、、
環境や出来事
自分が目の前の人を
どのように見ているかということも
相手に大きな影響を与えて
その人の中のいろんな面が引き出されます
お互いの長所を引き出し
幸せな関係を作ることもできますし
逆に自分が相手の悪い部分を引き出して
"怪物"に導いてしまうこともあります
誰がどんな態度でその人の心を扱ったか
対人関係の数だけ人格が生まれます
自分は傷つけられた!とか、許せない!とか
被害者になったつもりでいたけれど
実は知らぬ間に自分が 加害者になっていて
たくさんの人を傷つけたり
たくさんの事を許してもらったりして
今日まで生きてきたのかもしれません
自分が気づいているのは
ほんとうにちっちゃな世界です
もしかしたら
「私は何も見えていない、わかっていない」
と思う知恵をいつも心に持っていた方が良さそうです
今までの固定した価値観や考え方は
刻々と通用しなくなります
問題にぶち当たった時
視線を向けるのは人でなく
まず自分
例えば、自分に嘘をついていたり
心の底に不安や恐れ、エゴがあると
他人を非難したり、裁いたり
責任を押し付けたりして
無意識に自分が優位に立って
安心しようとしがちです
自分の不安や痛みを紛らわしたり
感じなくするために
批判したり、問題にして
人に八つ当たりするようなものです
自分自身を満たせる人は
それがありません
他人ばかりでなく
自分の事も
否定したり厳しくしたりせず
優しく受け入れて
許してあげましょう
そして
そのままの自分に満足して
安心しましょう
まずはそこから始めませんか
その根っこさえあれば
大丈夫です
あなたもわたしもみんな
本当はとってもかわいい怪物なのですから
(画像はお借りしました)






