「ここ十数年で多発している事故のことだ。」
「……は?事故が桜のせいって、どういうことだよ!?」
「不思議だと思わないか?」
「何が……。」
「君の周りで起きていることだよ。」
俺は、理解できなかった。
「私も楓も事故で死んだ。もちろん、君のお母さんもだ。まぁ、君のお母さんは死んではいないが。」
「訳分かんねえ……!!全部桜が仕組んだってことかよ!?」
「それを私が調べに来たんだ。そして、桜ちゃんは犯人と同じクセを持っていた。つまり、犯人の可能性が高い。」
「でも、十数年ってことは、桜はまだ子どもじゃ……。だから、無理だろ。」
「桜ちゃんは妖(あやかし)だ。」
「はい!?」
「ちょ、ちょっと待って。」
楓が割り込んできた。
「さっきから、妖とか何とかって、何それ!?桜は妖なんかじゃ……。」
「それは、本人に聞いたら分かるんじゃないかな?ね、桜ちゃん?」
「……ふふバレちゃった。」
「う、そだろ……。」
絶句した。
「あなたのお母さんは陰陽師だったから殺せなかったわ。老いぼれてもやっぱり陰陽師なのね。」
「お前、本当に?」
「本当よ。全て。隠そうとしてもムダみたいだし。」
「蓮くん。」
ニップ先生が俺を呼んだ。
「これから桜は君のことを狙うかもしれない。君は陰陽師の末裔だ。」
「急に言われても……。」
「黙って悪いと思っている。許してくれ。君のためだったんだ。」
ニップ先生と話していると桜が……?
つづく