「ゴメンゴメン、あまりに衝撃的なことだったから……。」

俺は言った。

 

 その時、また家のチャイムが鳴った。

 ピンポーン、ピンポーン……

「私、出るわね。」

と楓が言った。楓が出ようとしたが、その前に『ガチャ』と入ってきた。

 何と、ニップ先生だった。

「カナダに帰ったんじゃないんですか。」

と楓が尋ねると、ニップ先生は、

「いやー、それがね、天候が悪い影響で、飛行機が運航できなかったんだよ。」

と言った。

 そう話していると、蓮と桜もやってきた。

「ニップ先生、帰ったんじゃ……?」

2人が言う。ニップ先生は、しぶしぶ口を開いた。

「この際だから言おう。実は、あの崖での出来事の後から、ずっと君たちを見ていたんだ。」

「えぇ~!!!」

俺と楓は驚いた。

「何でですか?」

2人は聞く。

 すると、ニップ先生は、

「桜ちゃんが、一番よく分かっているはず。」

と言った。

 3人が桜を見ると、桜は青い顔をして、うつむいていた。

 

 

つづく