「いや、俺は花子のことを妹みたいに大切に思っている!!」
そう、花子は桜の妹だ。小5の時ぐらいに生まれたから、今は2歳か3歳ぐらいのまだ小さい子どもだ。
「ひどい、わたちをだまちてたのね!?」
「いや、だからお前は妹みたいなもので……ってか、小3の頃とか、嘘をつくなよ。お前、まだ3歳だろ」
そう、こいつはよく昼ドラを見ていて、いつもこんな展開に持って行きたがる。
「お前、もうそろそろ帰れよ。桜が心配するぞ。」
「むぅー。」
と言いながら、花子はしぶしぶ返っていった。
「なぁ楓、お前が成仏できなかった理由って結局何なんだ?」
蓮は、やれやれと思いながら聞く。
「えっとね……、私がまだこの世に思い残したことがあるからなの。」
「え?」
蓮は聞き返した。
「もう、蓮ってつくづく鈍いよね。ここまで言って分からないなんて……。」
楓は呆れたように言う。俺がムッとすると、
「分かった。言うわよ。私はずっと蓮のことが好きだったの。気づいてなかったの?」
……ウソだろ?楓が俺のことが好きだなんて……俺が呆然と立ち尽くしていると、楓が抱きついてきた。
「おい、ここ玄関だ……。」
ガチャ。
「蓮くん、さっきは花子がおじゃましたみたい。ごめんね。」
そのとき、桜が急に家に入ってきた。俺は楓に抱きつかれたまま……
「蓮くん、楓ちゃん、何してるの?」
「いや……これは……その……」
つづく