まさかと思って岸の下をのぞくと、大きな白波が立っていた。

 俺はその場にうずくまった。蓮以外にいた、楓と桜も大粒の涙を流しながら泣いていた。ただ、ペン先生を除いては。

 ペン先生は岸の淵に向かって走っていき、海へダイブした。

 数分が経ち、ペン先生が桜の兄を抱えて帰ってきた。

「先生は大丈夫なのか?」

俺は質問をした。ペン先生は、

「先生もユーレイだから大丈夫なんだよ。」

と言った。

「ところで、桜のお兄さんは?」

楓が質問した。ペン先生は、

「体を水に強く打ちつけて気絶しているみたいだ。」

と言った。すると、そのとき、岸の近くで釣りをしていたある男の人が走って近づいてきた。その男の人は、

「今、人が岸から落ちたように見えたんじゃけど?」

と言った。その瞬間ペン先生が言った。

「その独特の岡山弁……おまえは、まさかニップじゃないか?中安中学校で英語を教えていたあの……。」

ニップはやっとペン先生のことが分かり、話し始めた。

「僕とペン先生は、大学の同級生で、仲がとてもよかったんだ。だけど、それぞれ違う学校に行ってしまいそのまま音信不通になってしまったんだ。」

次にニップ先生がしゃべろうとしたとき、桜の兄が目を覚ました。そして、ニップ先生を見て、桜の兄がこう言った。

 

 

つづく