私は賃管士試験を診断士2次試験のように考えてみました。
しかし私の体感(令和5年度36点=合格基準点)、行政書士受験者の点数(令和5年度37点、35点)から本質はそこにないと考えました。
私は経営と思ったのですがそれは誤りで、不動産鑑定士の試験委員にとって法律も建築も経済経営も下位の概念にしか過ぎないようです。
上位の概念は国の政策です。住生活基本計画や不動産業ビジョンです。特に不動産業ビジョンは賃貸住宅管理業法の制定が重要な課題として明記されています。
不動産業ビジョンから賃管士の役割を理解してヒト(法律)モノ(建築)カネ(経済経営)の問題を予想します。
スーパーやコンビニなど「業態」のようなアプローチです。そのほうが管理業務主任者の過去問を右から左に持ってくるより当たる確率は高いと考えました。
次に第3問第4問の個別戦略です。受験当時、公式テキスト?を読んでいたのですが「F☆☆☆☆」が目につきました。ちょうどページの真ん中辺にあるので「これが出るのかな?」と思いながら読んでいました。
実際、予想模試で「F☆☆☆☆」が出たので、予想模試作成経験者という昔取った杵柄はまんざら衰えていないと思いました。
ところが「 F☆☆☆☆」は重箱の隅をつつく用語なのでしょうか、本試験では出ません。出たのは「結露」です。調べてみると省エネ基準には結露防止基準も加わるのです。そうすると翌年出るのは省エネ法になります。
中小企業診断士を受ける人の多くは営業や販売、総務や経理など5~10年ぐらい勤続している人が多いです。リーダーやマネージャーの人も少なくありません。
実務の経験が豊富で戦術=個別戦略を考え実行するのが得意です。だからでしょうか、リーダーやマネージャーの人が2次試験を解くと個別戦略を全体戦略にする人が多いです、賃管士試験の講師のように。
夏休みのミニ事例でグループ(6名)ディスカッションしたとします。そうすると法律派が3名、建築派が2名、その他は1人(私)になって、法律派と建築派の「ああでもない」「こうでもない」というディスカッションを私は黙って見ています。
講師の模範解答の解説を始めますが私の解答に似ています。しかし講師が解説し終えると法律派や建築派は「この予件はおかしい」「この設問はおかしい」「この日本語はおかしい」と言います。
ところが実際に合格したのは私で「おかしい」といった人はほぼ落ちます。「おかしい」人が多いから「おかしい」とは限らないのです。合格率20%前後の試験ですから。
賃管士試験も同様です。得点が取れないから取らせることができないから「おかしい」と言っているのなら皆さんの努力は報われないと考えます。
問題の順番や免除科目で考えてみましょう。受験生の多くは宅建士の試験を受けているでしょう。その際、ページをめくって問26(重要事項説明?)から始める人が多いでしょう。
それに対して賃管士の試験はページをめくらなくてもよいように重要事項説明から始まります(令和3から令和6年度まで)。親切ですね。
管業を合格するとマン管は5問免除になりその資格は永久です。それに対して賃管の5問免除は費用がかかるうえ2年限定です。
永久だといつ受けてもよいになります。一見よさそうに見えますが10年前管業に合格して区分所有法等が改正されても5問免除で受けられます。
それに対して賃管の免除は2年限定ですが本試験に受かりやすいようになっています。
令和7年度ですが令和6年度・令和7年度の追加変更(8月14日ブログ参照)から本試験50問中10題(障碍者差別解消法、住宅セーフティネット法、設備の定期点検、相隣関係、連帯保証契約、空き家対策法、賃管士の役割、省エネ性能の表示、建築基準法の用語の定義、賃貸住宅にかかわる社会情勢)が出題されています。
国家試験?には珍しくずいぶん親切な試験です。なかなか点数が取れない、合格しないのは試験問題がおかしいのでなく、受験者層の違いや受験生や講師の努力不足でしょう。
マン管、賃管は国家資格初学者でなく国家資格複数所持者が受けています。宅建、管業を持っていてマン管を受ける、宅建、管業、マン管を持っていて賃管を受けるです。アンケート等の結果を見ると弁護士や鑑定士も受けています。
その人たちが相手なので、公式テキスト?を読まず過去問だけ演習しても歯が立たないでしょう。
さてここで問題です。報われる努力はどれでしょう。
1 賃管の過去問をすべて覚える(覚えさせる)
2 賃管の過去問は覚えたので管業の過去問を覚える(覚えさせる)
3 試験委員に手心を加えてほしいと祈る(お願いする)
4 試験委員の意図を読みその通りに対策する
なるほど2級建築士でもない行政書士・社労士・診断士程度では弁護士や鑑定士などの試験委員の意図は読めないでしょう。
しかし読めないから読まないなら講師の職務放棄です。もしそうなら与件の意図も読めないので解答解説できなくなります。ですから講師には試験委員の意図を読む努力が必要ではないでしょうか。