脊損になり、急性期は動くことができなかったけど、回復期病院に転院しそれなりに体が自由になってくると
好好爺のような優しいけどまあまあよぼよぼのおじいちゃん先生が来てこう言った
「これからは看護師さんの手を借りず褥瘡の予防や尿管理を自分で鏡で確認しましょう」と。
さらに
「家に手鏡あるでしょう?それでいいんですよ」
と言うけど私は手鏡なんて持ち歩いたことがない。
化粧もしないのでコンパクトもない。
先生は昔の女性のこう言うのを言ってるんでしょう。
今こう言うのないからね。
鏡が必要なのはつまり、脊損の私はお尻もお腹も感覚がないので怪我をしてもわからない
座り続けて皮膚に血液が通わず壊死してしまう、それを褥瘡といい
寝たきりのお年寄りによくなる状況になる。
褥瘡は怖い病気で、治りにくく自立を妨げるし、細菌感染をすると死ぬこともある。
脊損はそう言うリスクと常に隣合わせなのだ。
病院では一日に一回、看護師さんにお尻を見せて、褥瘡の前段階の色の変化や傷ができていないかチェックしてくれる。
それをこれから自分でやりましょうて言うのだ。
自分のお尻を寝ながら自分で見るって生まれて初めてで、正直できる気がしなかった。
手鏡も家にないのでAmazonでこれを買った
両面鏡で一倍と10倍がある。
これは今思うと買ってよかった
非常ない重宝するのでもう一個買い足してしまったくらい。
ちなみに私は近視乱視老眼の三重苦であるので、その私がいいと言うのでま違いはなかろう。
一度百均で一倍と2倍の両面鏡があったので手に取ったけど
あれは目の良い若い子のアイテムだね、全然見えない。
若いっていいね。
手鏡を持ったことがないので自分の顔を見るのがやっとで苦戦していると
また先生が来てこう言った。
「皆さん器用にやってますよ、合わせ鏡とかね」
合わせ鏡って歌の歌詞やお菓子の名前とかしか知らない
こう言うのでしょう?
いやーこっちの方が難しいな。
不器用なのか女子力の低さか体が硬いのか
鏡一個も使いこなせない私はこれを買った
工業用内視鏡カメラである。
これでやっとお尻が見えたのでPTさんに報告したら凄く変な顔をされた。
でも見れたもんは見れたんで、これでいいんでありますよ。
生きる方法はいくらでもあると言うわけさ、ね!