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Seaweed Engineering Nori'sブログです。
突然ですが、大切な愛車の保管、みなさんはどのようにされておりますでしょうか?
※この物語はフィクションです。
車両の盗難を未然に防ぐ為の予防対策と、盗難に関する注意の喚起を促し、また現状を各々が再考する目的の創作であります。
登場する人物、団体、名称等は架空であり、更に実在するオークションシステム等とは一切関係がありません。
「取り返す人」
後輩が愛おしそうに整備していたホンダのオフロードバイク。
中途半端な排気量で車検が必要なのだが、しかしそれゆえにパワフル、かつレアな車体に惚れ込んでいる様子の後輩を見て、やっぱりバイク屋はオートバイが好きじゃないとね、なんて思っていた。
そんなある日の朝、「バイク盗まれたんですよ」と、意外と落ち着いた後輩が、うつむきながら呟いた。
カバーを掛けてロックして、交通量の多い幹線道路沿いのマンション駐輪場に停めて保管していたという。
通行人からは確実にオートバイが停めてある事は分かるのであるが、だからと言って盗難される方に非は無い。
これだけは言っておくが、100%、絶対に盗む奴が悪いのだ。
マジか、それ探しに行こうぜ、見つかる可能性は低いかも知れないけど…。
すると後輩は言う。
「なんか、ヤ●オクに出品されてるの俺のバイクだと思うんですよ」
出品車両を確認すると、確かに似ている。
覚えている傷の一致、これはさすがに動かぬ証拠となりそうだが…。
あとはもうあんまり見た事が無いレア車だと言う部分でしか判断が付かなかったのは、車台番号が判別不能だったからだ。
もちろんナンバープレートは外されているのだが、その辺もオフ車なら登録してないレーサーです、で、そんなに違和感の無い話ではある。
うーん。
かわいい後輩のバイク、何とかしてやりたいが、まずは警察に相談だね、という事でその日は様子を見る。
後日、やはり車台番号等での確証が取れないものについては、警察も動けないとの回答を得た。
もういいよ、現物見に行こうぜ、と、この時点でもうこっちは取り返す気満々。
質問欄に盗難云々を書くと逃げられてしまう可能性も視野に、ここは絶対落札して現物を見に行こうという事に。
オークション終了日には数名と競り合ったが、ぶっちゃけ確信を持っていた僕は何十万でも構わなかった。
結果、「そんなに高くならなかったねw」と落札、ハイタッチ。
出品者と車両引き取りの打ち合わせをし、いよいよ直接対決となったのである。
数日後、指定された某県のファミレス駐車場。
待ち合わせ時刻にノコノコと現れた出品者を確認。
おお…乗って来るのか。
ボス!あいつですぜッ!
「こんばんは〜」
ボロボロのピックアップから降りて来たのは、落札者の3人組。
僕らのなりを見た時の、なんかヤバいかな、という出品者の表情を今でも忘れない。
そうね、なんか1人190cmくらいあるもんね。
軽く挨拶した後、
「どう?間違い無い?」
ボスが聞いた。
間違い無いです、と後輩が答えるが早いか、
「実はこのバイク、先週彼の家の駐車場から盗まれたものなんだ」
出品者の目を見て、ボスは静かに話し始めた。
帰りの車の中、意外と無言。
各々、きっと思うところがあったのだろう。
お前今度はもっとちゃんとガチガチに鍵掛けとけよ。
今回は回収出来て良かったけどさ。
しかし、「いやー、安かったから怪しいと思ったんですよね〜」とかアイツ、絶対黒っすよね。
そんで、
「どうぞどうぞ、そういう事でしたらこのまま持って行って下さい!」
えっ、いいの?なんで?君このバイク買ったんじゃないの?いくらで買ったの?本当に買ったの?と詰めようとする若いのを制して、結果やんわりと丸く収めるボスの手腕、まるで刑事のそれである。
荷台に鎮座するバイクを振り返り見ながら、アイツどんだけだよ、と笑ったのであった。
オイ、たまに見てるぞ。
同じID使ってるけど大丈夫そ?
盗む奴が100%悪い。
だからそんな悪い奴に盗まれないよう、目立たないように保管して、ご近所とは仲良く。
バイク屋繋がりで見た、取り返したとされる複数台の盗難車両は、ことごとく車台番号が削られていた。
自分だけの印を付けておくのも、ひとつの手段かも知れない。
バラされて、船に乗る前に。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d16438b272f8f2f71668f6a9d75f649d72b20626
ふと、こんなニュースを見たもので。
こんな時代ですから。
みんな仲良く。
明日もよろしくお願い致します。