今年5年ぶりにPCTの最南端点Campoに戻った。懐かしくて随所で立ち止まり、写真を撮りながら歩いた。

さすがにメキシコ国境のトランプの壁ははっきり覚えていたが、いざ歩き始めてみると新しいトレイルを歩いているような気がした。あれっ?こんなところ通ったっけ?といぶかしくなるほど、ほとんどの場所を忘れていた。

 

目についたところはなるべく写真に収めるようにした。下の写真はおそらく99%のスルーハイカーが同じ写真を撮るのではないかと思う場所。最初のマイルマーカー。

 

 

帰宅してから5年前の写真と照らし合わせみて愕然とした。今年撮ったほとんどの写真は5年前に撮ったのと同じ場所。

要するに、私は同じ場所で同じように感動して同じ写真を撮ったということ。変わってないー!

 

ともあれ、今回は一日20マイル以上歩くことを自分に課していないので、いたってリラックスして南カリフォルニアの自然を愛でることができた。一日に歩く距離は10マイルから15マイル。このぐらいのペースだとロングディスタンスハイキングは限りなく楽しい。

 

下の写真も5年前と同じだった。Scissors Crossing(77マイル地点)から次の水場まで30マイルぐらい水が無いセクションがあったが、14マイル行ったところにトレールエンジェルが水を運んでくれている場所があった。これも5年前と同じように感謝して水をいただいて写真に収めた。

 

その年の気象状況により、小川が枯れていたり山火事で封鎖されていたり、そういう違いはあっても、基本的に同じトレールを歩いているのだから、環境はあまり変わらない。変わるのはハイカーだけ、と思っていたけど、こういう文明から遠ざかった場所でも知っている人にバッタリ会うということもある。ええええっなんでここにいるのー???と心の底から驚くこともある。

 

街まで連れていってもらおうとWalker Pass(650マイル地点)でヒッチハイクしたら、5年前と同じトレイルエンジェルにピックアップされた!まさかーと驚いた。

 

また、水場でガヤガヤと集まって補水している若者のグループがいて(下の写真)、何気に世間話をしていたら、そのうちの一人が5年前に出会ったスルーハイカーだったのにはびっくり仰天。

 

ええええええええええええ!と叫ぶ以外言葉が見つからない。そして「また来たの~?」「私もハマったけど、あなたもハマっちゃったのねえ~。」と顔を見合わせて思わずニッコリ。

 

 

この5年間何してたの?と聞かれて、私はリタイヤしてユタに引越したことを報告。

彼はなんとアパラチアントレールを終えて、コンティネンタルディバイドを終えて、PCTにまた戻ってきたんだって。これでPCT3度目だそうだ。来年も来るからまた会おう、とか言ってたけど、こういう生き方もあるのだね。凄い。

 

彼はトレイルにいる時がノーマルでトレイル外では住居不定だと言っていた。(下の写真)

 

「How Come(私のトレールネーム)は5年前に神道のことを僕に教えてくれたよね。興味深かったから覚えている」って。やっぱり若者の記憶力は凄い。そんなこと当の私は全然覚えていないよ!

 

そういえば彼は去年北日本のみちのくロングトレール?をやったとか言っていた。

 

 

つかのまのリユニオンを経て、彼は去っていった。まさかもう会うことはないと思うが、Never say neverだね。

 

彼の他にも私が日本人と知るや否や、2023年と2024年にアパラチアントレールで出会った誰誰を知っているか?と聞いてきた人もいた。(写真下)日本人ハイカーにはこれまで二人出会ったけど、彼らは自然に対するリスペクトが厚く、とても印象的だった、と。彼らから教えてもらうことがたくさんあった、と日本人を絶賛していた。そう言われると私も自分のことのように嬉しかった。

 

この彼だが、ロスアンジェルスのスポーツクラブでバイトしてお金を貯め、ここにやってきた。今回はPCTとPacific Northwest TrailとContinental Devideを繋げたGreat Western Loopをやるんだって。全長6875マイルだそうだ。ついでにGrand Canyonまでちょっくら足を伸ばして来るわ、と言って、矢のように私の前を立ち去った。

 

 

そして一週間後、私は所用のため一度トレイルを降り、Idlewildというトレールタウンに寄った。そこのPCTに続くトレイルヘッドで再度彼にバッタリ出会った。この偶然の積み重なり。彼は再び風のようにトレイルを駆け上がって行った。もう凄いとしか言いようがない。

 

 

私はその後、シエラ山脈玄関口のKennedy Meadows South(700マイル地点)で70歳の誕生日を迎えた。

 

長くやっていると面白いことあるなー。また来年戻って来るからねって心の中でつぶやいてトレイルを降りた。