俺は焦っている。

もうすぐジム主催のリレーマラソン出走、来月には某区主催の10kmラン出走。

なのに、ここ三週間ほど仕事に忙殺されてジムに行けてないし、全然走ってない!

リレーマラソンでブレーキになるぞ!

10km完走出来ないぞ!

ヤバいヤバいと焦りながら、ようやくジムに行けた週末、受付デスクに「蘭子IRが体調不良で陸上部はキャンセルです」と書かれたポップスタンドが置かれていて。

受付でフリーズする俺。

 俺 「一人で走る根性なんて持ってない」←独り言

万 理「じゃ、一緒に走りましょう」←いつの間にか隣に立ってた陸上部員

 俺 「ありがたいけど、俺のスピードじゃ万理さんの練習にならないですよ」

万理さんは海外も含めトライアスロン大会に年5回以上出場するゴリゴリのトライアスロン女子で、陸上部では常にキロ5分半ペースで走って俺の視界からすぐに消える。

万 理「ヒロさん、目標はキロ5分半って言ってましたよね?」

 俺 「あくまで目標です」←キッパリ!

万 理「じゃ、今日はキロ6分で引いてあげますよ」←余裕の笑顔

再びフリーズした俺の脳内でNHK BS『英雄たちの選択』松重豊氏のナレーションが響き始める。

松重氏「笹野洋の心のうちに分け入ってみよう。万理さんとなら一人では絶対不可能なキロ6分のトレーニングが出来る。だがしかし、それでは万理さんのトレーニングの足手まといになってしまうだろう。リレーマラソンは目前に迫っている。ここは無理をしてでも万理さんの申し出に賭けてみるべきか?いや、無理をして故障すればリレーマラソン出場どころか、某区10kmラン出場も危ぶまれる。笹野洋に選択の時が訪れた」

 

で、悩んだ結果、走ったよ、万理さんと一緒に10km。

前半はキロ5分40秒、後半はキロ6分半のペースで。

俺はジムが見えてきた頃には息も絶え絶えだったけど、万理さんは近所の散歩から帰宅したかのように全く呼吸は乱れてないし、平然としてて。

万 理「私は土手まで走ってきますね。週末のランは20kmって決めてるんで」

 俺 「い、行って……らっ……しゃ……」

俺の言葉が終わる前に、万理さんは俺の視界から消えた。

あれはキロ5分ペースだな。

マジで俺、万理さんのトレーニングを邪魔したんじゃないか?

万理さんが走りながら、いくつかアドバイスしてくれた中で俺が脚に彫っておきたいと思ったのは

週に2回は走れ!

これに尽きる。

三週間もサボったせいで、後半5km、脚が重くて全く動かなかったよ。

さ、今日は何としても走るぞ! 頑張れ、俺!

 

 

 

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