リトル・リチャードの映画『アイ・アム・エヴリシング』が公開されたが、スペシャルティ現役バリバリ時代の出演映画『女はそれを我慢できない』は当時日本でも劇場公開され、日本盤の発売のきっかけにもなったのではないか?と思って、古い月報調べてたら以外な事実が・・・(って周知の事実だったのかも知れないですが)。

 

 名著『日本盤 オールディーズ・シングル図鑑』にチャック・ベリイの「スクール・ディ」(日本コロムビア、57.11発売、LL-82)の写真が掲載されていてビックリしたことがあったが、同じ日本コロムビアの月報1957年5月号に、SP L-3081(¥350)「ジム・ダンディ」/「トラ・ラ・ラ」:ラ・ヴァーン・ベイカーというのが掲載されていた(SPなのでシングル限定の図鑑には未掲載!)。映画「ロック・ロック・ロック」より、ともある。

 『女~~』は米国公開とほぼ同時期に日本公開されていたが、『ロック・ロック・ロック』も日本公開されていたのか?という疑問が浮かんできた。ラ・ヴァーンもチャック・ベリイも映画に出ていたので、公開されたのならレコード発売も頷けなくもない・・・。しかも、ラ・ヴァーンはアトランティック、チャックはチェス。日本コロムビアは契約の無かったレーベルとのワン・ショット契約をしたのだろうか・・・。「ジム・ダンディ」(At. 1104)は56年12月に映画公開と同時にランク・イン。R&Bチャートでは第1位、POPチャートでも17位(いずれもBillboard誌の記録)と大ヒット。チャックの方は、57年4月にランク・インR&Bで14位、POPで3位とこちらも大ヒット。どちらも半年程度の時差はあるが、日本コロムビアは大手だが、貪欲にチャートの動向も注視していたのか?以降の契約状況ではあんまりワン・ショットには拘っていないように感じたが、謎は深まるばかり。

 

 ちなみに、ビクターのワールド・グループは58年5月月報からアトランティックの発売状況が掲載されているが、”JAZZ”レーベルの色が濃い・・・。

  4月号表紙には無いが、左の5月号には掲載が有る

 また、『日本盤 オールディーズ・シングル図鑑』には、ATL-1001「トラ・ラ・ラ」/「スチームボート・ロック」(ラ・ヴァーン・ベーカー/ドリフターズ)58.4、以下ATL-1002、ATL-1003、ATL-1004は、58.4発売となっているが、5月月報には、シングルATL-1004、ATL-1005が新譜掲載され、最後に『好評!アトランティック第1回発売』として、LP2枚(ATL-5002、5003)とシングル3枚(ATL-1001、1002、1003)が掲載されている。月報4月号にはアトランティックの情報は未掲載。ちなみに4月号表紙の右下には『3月5日発売』と記載があるので、4月新譜は3/5発売だったのが分かる。これから5月新譜の2枚は4/5発売だったと思われ、好評発売中の第1回発売は・・・3月?4月?と少しあやふやになってしまう。

   

左5月号最終ページ、下には第1回の記載が。右1961年度総目録、すでに廃盤多し。

1961年総目録(60.12.25発行)では、1002、1003は58.4、1008が58.7、1011が58.8発売となっている。1008は58年7月月報掲載なので、それから推察すると1002、1003は4月新譜となり、3月の発売の可能性が大きいが・・・。月報とは別刷りの『新発売』案内があり、4月新譜扱いだったのかも知れない。

 

 レア盤ばかりで現物は持ってないのでご勘弁を・・・・・(笑)