HIVAIDSってなぁ~に?

 HIVとは ヒト免疫不全ウイルス(HIV) の頭文字を取ったウイルスの名前で、HIV感染症とはHIVウイルスが起こす病気の名前です。HIVに感染すると、徐々に身体の免疫(病気を治そうとする力)が失われていきます。

 AIDSとは 後天性免疫不全症候群(AIDS) という病気の頭文字を取ったもので、HIV感染症がより深刻になっておこる病気の名前です。身体の免疫力が弱まると、普通の人ならなんでもないような病原菌でも死んでしまうことがあります。




 ・発症まで

 AIDSは発症するまで個人差があります。最初に少し症状が出るだけで、三年から五年、遅いヒトでは十年以上も身体になんの症状も出ないことが珍しくありません。ウイルスは臓器や組織をこわしたりせず、徐々に身体の免疫力をこわしていくだけなので、感染してもわかりません。

 このウイルスの感染経路は限られていて、輸血などの治療中の事故、薬物常用における注射器の共用、妊娠・出産時における母子感染、そして最も多いのが性行為による感染です。性行為によって感染をする病気を性感染症と言います。

 性感染症は一般的に十種類ほど(クラミジア、尖形コンジローマ、カンジダ窒炎、毛じらみ、などなど)よく知られていますが、HIVAIDSもそのうちの一つです

 HIVウイルスは相手の粘膜や体液に触れることで感染します。抱き合ったり、キスをしたりすることでは感染しません。だから、コンドームを使用すればほぼ予防することができます。



 ・治療について

 この病気に対する特効薬やワクチンはまだ開発されていませんが、早期発見・早期治療が大切な病気です。早期発見をすることでそれ以上の感染を防ぐことができ、早期治療をすることで発症を遅らせることができる病気です。発症を遅らせて、科学が進歩して薬が発明されるかも知れません。だから定期的な検査が必要です。

 HIVウイルスに感染しているかどうかを知るには「HIV抗体検査」を受けることでわかります。これは日本全国の保健所や保健福祉事務所で受けられます。検査は、いくつかの質問のあと、血液をとり、二週間ほどで結果が出ます。日本は比較的に検査が受けやすい状況です。


 

 ・世界の状況

 世界ではHIVAIDSは社会問題になっています。日本を含め、世界中で感染者は増加しています。特にアフリカで被害が大きく、AIDSによって村が一つ消える、などいったこともあります。約四千万人がHIVウイルスに感染していると言われていますが、正確な人数を数えることはできません。自覚症状がないため、検査を受けていない人がたくさんいるのです。