これには参ったね。確かに僕は歴戦の”バックレ王”だけどさ、かれこれもう2週間ぐらい皆勤してんだぜ。つまり14日間さ。14日間も優等生なら15日目も優等生だと、思うはずだろ、一般の低能野郎なら誰しもさ。ところがそれと彼女は違うんだな。それって低能野郎のことさ。低能どころか、ちょっとばかし気が利くんだな、知ってるだろ?
だから僕はちょっとムカッときたんだな。演劇のおじさんの授業を受けようと思ったんだ。嘘じゃないよ。演劇のおじさんはやさしくていい人なんだ。そのかわり聞いてると眠くなるんだ。それに教えていることがところどころ間違ってるんだな。指摘するほどのことじゃないんだけど。まぁ、知ってるよね。
とにかく、僕ははいつくばってでも演劇のおじさんの授業を受ける気持ちにあふれていた。本当さ、10万円賭けてもいい。僕が教室に入って授業が中断されたことに対して、深々と頭を下げて謝罪して、ついでにM・F以外の全ての学生にキスをしようという勢いだったさ。実際はしなかったろうけどね。僕は日本人だから。でもそれくらいの勢いだったさ。
しかし残念なことにそうもいかなかった。全くばかげた話さ。言っておくけど、僕はこのばかげた話を君たちの放課後の話のネタとしてささげるつもりで書いているんじゃないんだよ。できることならば言いたくない。でも僕はミスター・ナカノには”遅刻”と言ったんだな。こいつは失態だな、T・サイバラとしたことが。
要するにね、行こうと決心した時分、パンツがなかったんだな。パンツって大和で使っているほうの意味のパンツさ。下着だよ。全部洗濯機の中にあるんだな。パンツはね、――もちろん大和のパンツだけど――たくさんあるんだ。でもそれ以上にたくさん雨が降ったんだな。全く僕は不幸な男なんだ。実を言うと今も履いていないんだな。大和のほうをさ。そんでもって鬼畜米英のほうを直に履いているんだな。全く口にするのも忌々しきこと甚だしかり、だよ。
そういうわけで、これは僕からのお願いなんだが、この実情をミスター・ナカノにはうまく伝えておいてもらえないかな。できることならばウィットにとんだ感じでさ。例えば「XXXXXXXXXXXXXXX」とかなんか言うと奴さん随分参ると思うんだな。でも、別になんだっていいんだ。それから、明日ももし雨が降れば、僕は学校に行くことができない。もちろん僕だって休みたくはないさ。しかし運命には逆らえないからね。