江國香織さんの本を読んでいる時は、特にエッセイ(の様な短編というのか短編の様なエッセイというのか)を読んでいる時には、現実世界に生きている不安や心配事から解放されて、読んでいる時間が心から楽しい。


江國香織さんの魅力は?と訊かれたら、正にそこにある。彼女が現実に不在だから、その不在中の彼女がものを書き、世界を作るので、読む私でさえも現実世界から離れられるという…そういう仕掛けあるから。


過去に何人かの人に、なぜか知らないけれど、江國香織さんに似ていると言われたことがある。容姿ではないだろうと思う。もしかしたら、(失礼ながら…)現実感の希薄なところ??『物語のなかとそと』を読み終えて、はたと思った次第である。


この本の最後の一文が本当に突き抜けるように面白かった。


だって、「私は、自分が日々感じていることや考えていることが、全部"気のせい"なのではないかと、心配になる」と、結ばれていたのだから。

チャーミング!ラブ