Complete Swedishを終えて基礎がある程度固まってくると、そろそろ「スウェーデン語を外国語として学んでいる人のための教科書」ではなく、スウェーデン語をネイティブ言語として使うスウェーデン人たちが触れるような、「生のスウェーデン語」を教材として使いたくなってきました。ちょうど「そろそろComplete Swedishの他にも何かスウェーデン語の学習教材になりそうなものないかな~」と思っていたぐらいのタイミングで、ありがたい事に、普段スカイプでやりとりをしているスウェーデン人の友達からプレゼントをもらえていたのですが、そのプレゼントとはスウェーデンの子供用の絵本や日本の漫画のスウェーデン語翻訳版でした。

 

まず僕が手をつけたのはスウェーデンの子供用の絵本(朗読CD付き)のBamseというもの。日本でいうアンパンマンのようなもので、Dunderhonungという特殊なハチミツをなめた時だけ超怪力の無敵のクマさんになれるBamseという小グマが、悪い奴らをやっつけて町の平和を守るというお話です。対象年齢はおそらく幼稚園児ぐらいの年齢でしょう。

 

Bamseは当然スウェーデン語を外国語として学ぶ人の教材として作られたものではなく、現地のスウェーデン語ネイティブの子供たちのためのお話です。しかし、ネイティブ用とはいえ、やはり小さな子供用のお話ですから、難しくて覚えにくい単語は使われておらず、話の内容もシンプル。わからない単語の意味を調べながらなら、なんとか話についていく事ができました。

 

ただし、子供用とはいえやはりこれはネイティブ用。Complete Swedishの音声CDと比べるとだいぶ喋りが速い感じがしました。それでも粘り強く、Complete Swedishの時のように4ステップ

 

[1]辞書を引かずに音声を聞きながら本文を読む。

[2]わからない単語の意味を調べながら同じ本文を読む。

[3]もう1度辞書に頼らずに音声を聞きながら同じ本文を読む。

[4]本文を見ずに音声だけを聞いて内容を理解できるようにする。

 

をこなす事に務めました。1ページ毎にこの4ステップを行うので、同じページの内容を4回繰り返してから次のページに進む事になります。

 

Bamseの絵本がひととおり終わったら、日本の漫画のスウェーデン語版にも手をつけてみました。この時もらえたのは『犬夜叉』の1巻と2巻。犬夜叉という作品の名前は知っていましたが、日本語でも読んだ事がなかったので、予備知識のないフレッシュな状態で読み始める事ができました。ですが、当時の僕にはまだ犬夜叉のような少年漫画に使われるレベルのスウェーデン語は難しすぎて、読み進めるのにあまりにも時間がかかってしまい、もう少しスウェーデン語が上達してから再挑戦する事にしました。

 

何か今の自分にちょうどいいレベルの生のスウェーデン語はないかな~と思っていたら、ラッキーな事にBamseのアニメがスウェーデン語音声スウェーデン語字幕付きでYouTubeにあったのを発見しました。絵本の時と同じ要領で、YouTube上で見つかったBamseの作品は一通り見ました。

 

Bamseも一通り終わると、いよいよ教材のネタが尽きてきたので、なんとか教材を探そうとしていました。何気なく再びComplete Swedishに目を通していたら、「この教科書だけでは物足りないあなたへ…」みたいな欄があったのに気づき、そこのリンクを使ってスウェーデン語に触れられるウェブサイトを見て回りました。すると、Sveriges Radioというスウェーデン語でスウェーデン国内のニュースが読めるし聞けるというサイトを発見。音声と活字の両方が揃って尚且つ自分がそこそこ興味の湧きそうな記事をいくつか選んで読む事にしました。

 

ところが、このサイトは大人のネイティブ用で、難易度としては先ほど後回しにしたと言っていたスウェーデン語版の犬夜叉よりも遥かに難しいものでした。しばらく粘って続けましたが、何度も心が折れそうになり、実際折れました

 

また、丁度この頃は今まで英語でしか喋っていなかったスウェーデン人の友達とのスカイプをスウェーデン語でもやろうとチャレンジし始めた時期でもあり、僕のスウェーデン語はなんとか伝わるものの、彼女の喋るスウェーデン語が壊滅的にわからなかったので、こちらでも何度も心が折れそうになりました。

 

ただスウェーデン語のネイティブと週1回20分やそこらスウェーデン語で喋る程度(しかもその内訳は僕がほとんど喋れなかったから向こうがスウェーデン語でほぼ喋りっぱなしに近い状態だった)ではいつまで経っても上達はしないだろうと危機感を持っていたので、スカイプのない日に別の勉強をして地力を上げておこうと思いました。

 

まずボキャブラリーの足りなさを痛感したので、ボキャブラリー増強のために手っ取り早いリーディングをする事にしました。この時期に思いついたのがWikipedia勉強法です。

 

以前別の記事でも書きましたが、何でもいいから自分の興味のあるWikipedia記事を開き、それを自分の学習中の言語(僕の場合はスウェーデン語)に切り替えて、わからない所を調べながら読み進めていく、というものです。

 

犬夜叉やSveriges Radioのスウェーデン国内のニュースは読んだ事がなくて苦戦しましたが、既にある程度予備知識のあるリーディング教材なら、教科書用でない生のスウェーデン語の文章でも読めるだろうと考えました

 

その日から、僕は自分の興味のあるアスリートや、映画などのウィキペディアの記事を開き、その言語をスウェーデン語に切り替えては、それをWordに貼り付けて、自分だけのスウェーデン語リーディング教材ファイルを自分のパソコンに貯めていきました。自分だけのスウェーデン語リーディング教材で頑張り続けていると、わからない単語を調べながらではあるがなんとか読み進める事ができており、これなら続けられそうだという手応えを感じました。ここでも、

 

・わからない単語を調べながら読む。

・辞書に頼らずに同じページをもう一度読む

 

の2つを繰り返しながら様々なWikipedia記事を読み込み、少しずつ着実にボキャブラリー増強をする事ができました。Wikipediaを利用しての勉強法を始めて何週間かすると、ボキャブラリー増強の成果が出たのか、スウェーデン人の友達のスウェーデン語が徐々に聞き取れるようになってきました。

 

また、この頃にはアニメ『楽しいムーミン一家』のスウェーデン語版をYouTubeで見つけたので、それも見始めました。Bamseと比べると難易度が上がっており、最初は半分すら聞き取れないぐらいでしたが、この時は他に適当な音声教材が見つからなかったので、やむを得ずわからないながらもムーミンを1日1話ずつ見続ける事にしました。

 

スウェーデン語でのムーミンのアニメは60話余りアップされていたので、1日1話のペースだと全部見終わるには2か月はかかりました。その間もWikipediaのスウェーデン語版の記事を読み込んでボキャブラリーを増強し、スウェーデンの友達との週1回のスウェーデン語でのスカイプも続けていました。

 

このスウェーデンの友達はよく喋る人なので、僕の喋りが途切れても基本的には彼女が喋り続けて会話は途切れないのですが、あまり会話の進行を彼女に任せすぎると結局彼女が一方的にスウェーデン語で喋り続けるだけで終わってしまいます。なので、僕は毎週何かスウェーデン語で「今週はこんな事があったよ」と話のネタにできるものはないだろうかとアンテナを立てながら生活をしていました。

 

何か少しでも気になる事があれば、持っている小さいノートにスウェーデン語でメモを取ったり、手元にノートがなければ携帯のメモ帳機能を使い、ネタを蓄えました。こうして喋りたいトピックを予め決めておき、それに応じて台詞を予め頭の中で組み立てるという事を平日のうちからやっておく事で、週末の本番のスカイプでも言いたい事は割とスムーズに言えるようになっていました。

 

また、自分がトピックを用意した事で、そのトピックに沿って彼女に喋ってもらえたので、会話の流れが掴みやすくなり、自然と聞きとりもしやすくなりました。ちなみに、このスウェーデン語でのスカイプのネタとして日々コツコツためておいたメモ書きが、このブログの本編のエピソードを日本語で書く時にも非常に役立ちました。何がどこで効いてくるかわからないものですね。

 

この頃になってくると、以前諦めていたスウェーデン語版の『犬夜叉』にもう一度挑戦してみようと思うようになり、実際にやってみたら、今回は辞書を使いながらとはいえ90%以上理解して読み終える事ができ、スウェーデン語力の向上を実感しました。ムーミンのアニメ60話余りも全部見終わると、再び第1話に戻って2周目に入りました。

 

すると、これまでのWikipediaでのボキャブラリー増強とスウェーデンの友達とのスカイプによる会話の練習の成果か、話の流れについていけるようになり、2周目も60話余り全部見て、3周目に入ると、ほとんどの話で80%ぐらい話の内容がわかるようになっていました。キャラクターの台詞の単語全てを聞きとった上で会話を理解できるようになる事も多くなりました。

 

1発で理解できず繰り返し見たとはいえ、スウェーデン語でのアニメを字幕なしでここまで理解できるようになったのは大きな自信になりました。