今までいろいろブログの語学編で「独学で外国語を勉強するにはどうしたらいいか」を書いてきましたが、ここで僕のこれまでのスウェーデン語の勉強を、勉強開始の初日から順にどんな教材を使ってどのように行ってきたかを紹介しようと思います。

 

僕自身、スウェーデン語はまだ勉強中ですし、上級レベルやネイティブレベルとは言えません。でも日常会話ぐらいだったら今のままでも特に不自由なくできますし、話す相手と話す内容にもよりますが、スウェーデン人相手にスウェーデン語のみで丸1日でも会話を続ける事ができるレベルには到達しています。

 

スウェーデン語は英語やフランス語やスペイン語や中国語などのメジャー言語と違い、そもそも喋る人が圧倒的に少ないのでスクールも身近になければスウェーデン語学習のための教材がそこら中に売られているわけでもありません(特に日本では)。そんな中でスウェーデンに住まずに独学で「もう少し頑張れば上級レベルに入れる」という所まで来れたのですから、僕の今までのスウェーデン語の勉強の仕方をシェアすれば、もしかしたら他のマイナー言語を勉強したい人や英語学習をお金をかけずに頑張りたいと思っている人にも何らかの形で役に立つかもしれないと思いました。

 

もちろん、僕の勉強法が万人受けするものだとは思いませんし、読んでて役に立つと思われる部分もあれば全然参考にならんと思われる部分もあるでしょう。なので、もし役に立ちそうだと思う情報があれば、「いい情報を無料で見っけちゃった☆♪」と思い、ちょっと読んで役に立ちそうもない駄文だと思えばさっと流すぐらいの軽い感じで構えていただければよろしいかと思います。また、これまで書いてきた独学の語学学習理論の内容とだいぶ重複する所も多々ありますが、その辺は予めご了承ください。

 

まず、スウェーデン語の勉強を始めるにあたって何から手をつけたかというと、もちろん教材をゲットする所からです。初めてスウェーデン語の勉強をしようかと考えていたその頃、僕はアメリカにおり、たまたま本屋をブラブラ歩いていたらComplete Swedishという、スウェーデン語に関する丁寧な説明が英語で書かれた教材を見つけました。

 

スウェーデン語を一言も喋れないド素人レベルから中級者の入り口ぐらいのレベルまでがカバーされている本で、ページ数は350ページほど。音声CD付きで値段は40ドルぐらいで購入しました。ちなみにこのCompleteシリーズはスウェーデン語以外にも様々な言語がカバーされており、メジャー言語はもちろん、他にも例えばアイスランド語とかハンガリー語とかエストニア語とかみたいなだいぶマニアックな言語の教材もあります。

 

また、オンラインでも注文可能なので日本にいながら購入する事もできます。日本の都市部にある大きい本屋さんでも、入門書レベルであればマイナー言語の教材はほぼどの言語でも見つかりましたが、個人的にはCompleteシリーズの方が内容が詳しい印象があり気に入っています。

 

このComplete Swedishを使って、まず僕が徹底的に行ったのは大まかに分類すると次の3のみです。

 

[1]スウェーデン語における発音・スペルの基本的なルールを覚える(どのアルファベットがどんな組み合わせの時にどんな発音になるか)

[2]日常会話によく出てくる基本的なボキャブラリーを覚える(「食べる」「話す」など)

[3]日常会話に必要な最低限の文法項目を覚える

              -「いつ」、「どこで」、「だれが」、「何を」、「どのように」、「なぜ」の表現

              - 現在形、過去形、未来形の作り方

              - 肯定文と否定文の使い分け(Yes / No)

              - 疑問文の作り方

              - 数の数え方

              - 接続詞の使い方(「なぜなら」、「そして」、「しかし」など)

              - 日本語の「てにをは」、英語の前置詞にあたる部分(「~が」、「~を」、「~で」、in, of, fromなど)

              - 受け身(~される)の形

              - 「もし~だったら」「~したら」といった条件文

              -  比較級・最上級(~は○○より…だ、~は最も…だ)

等々

 

上の[3]の文法項目も、大雑把にわけると10個ぐらいにしかなりません。他にも細かな文法項目はあるでしょうが、初心者の段階だったらその辺はあまり力を入れなくてもよいでしょう。いかなる言語であっても上記の基本的な項目さえ押さえておけば、初心者レベルを脱出して日常会話をなんとかこなすぐらいの土台は作れると思います。

 

で、僕の場合、このComplete Swedishをどれぐらい使い込んだのかというと、教材に書かれている文章を読みながらでなくてもCDの音声だけで内容を理解してついていけるようになるまでやりました

 

最初はとんでもなく速い喋りのように感じられますが、わからない単語を調べ、テキストを読みながら音声を聞き、音声だけでも聞いてみる。これを何度も繰り返すと、少しずつですがわかるようになってきます。ただし、反復は大事にしていましたが、1日に同じダイアログを何十回も繰り返すという事はせず、日を改めて少しずつ頭に染み込ませるようにしていました

 

たしか具体的な流れとしては、

 

[1]辞書を引かずに音声を聞きながら本文を読む。

[2]わからない単語の意味を調べながら同じ本文を読む。

[3]もう1度辞書に頼らずに音声を聞きながら同じ本文を読む。

[4]本文を見ずに音声だけを聞いて内容を理解できるようにする。

 

4ステップで1セットだったと思います。これを最終章まで根気強く続け、全ページやり終わったらまた第1章に戻り、上のステップ1~4をやり、第2章、第3章…と進んでいき、このやり方で最終章まで行きました。それが終わったらまた第1章に戻りステップ1~4をやり…という感じで、全350ページ分を4周ぐらいはしたと思います。

 

面白い事に、まあ当然といえば当然ではありますが、いったん全ページを終えてまた最初のページからやり直して2周目に入ると、初めてやった時と比べてスラスラ理解できるんですよね。3周目はもっとスムーズになり、4周目はもっとペースが上がります。

 

だから全ページ分を3周も4周も5周もするというと、途方もない時間がかかるように思えますが、毎日コツコツと少しずつ続けていれば意外とそうでもないです。1日10ページやるとしたら、毎日やらず週5日でも1週間で50ページ、4週間で200ページ進みます。6週間で300ページ、7週間で350ページです。350ページ全部終えて2周目に入ったら、1周目と同じ時間をかけて4周やったとしても、7週間×4セットで28週、つまり7か月です。でも実際には2周目以降はペースが上がるので、半年もかからないぐらいになるかもしれません。全350ページの繰り返しを4周ではなく3周に抑えておけば、もっと早くこの基礎固めの時期を終える事もできます。

 

大事なのは、まだ初心者のうちに変に色気を出して難しいヤツには手を出さず、基礎的な所を徹底的に固める事だと思います。やろうと思えば半年以内でできるはずですから、まずはその半年は我慢です。この半年の内に基礎的な文法項目やボキャブラリーの範囲内で日常会話の内容を読んだり聞いたりして理解できるようになる事、また自分でも喋ったり書いたりして表現できるようになる事を心がけました。

 

覚えた文法項目や単語を使って、自分の頭の中で独り言を言ったり、組み立てたスウェーデン語の文を紙に書いたりWordで打ったり、時にはSNSとかに簡単な内容でもいいから投稿したりしました。スウェーデン語をまだ覚えたての頃とかは、「今日は僕の誕生日だった。ケーキを食べた。おいしかった」ぐらいの事しか書けませんでしたが、初心者の時点ではそれで十分。いきなり複雑な文を完璧に使いこなすなんて無理なんですから、そこは割り切って、少しずつより複雑な文を作れるようになるよう努力しました。

 

何度も何度も書いている事ですが、要は身の丈に合った努力から少しずつ始めましょうって事ですね。千里の道も一歩から、ローマは一日にしてならず、です。