前回は自分の今のレベルを診断する事のできる「テスト」の重要性、具体的な例の1つで言えば実際に自分が学習中のその言語のネイティブ、あるいはノンネイティブでも自分より上手な人とその言語でコミュニケーションを定期的に取る事が大事だと書きました。でもそもそも、そういう話し相手ってどうやって見つければいいの?っていう疑問が湧いてくると思います。もちろん方法はいろいろありますが、今回はそのいろいろある方法のうちの1つを紹介しようと思います。

 

英語圏の国では既にけっこう知られていますが、Language Exchangeというものがあります。これは、文字通り「言語を交換する」ものであり、ネイティブ言語の異なる2人がお互いのネイティブ言語を教え合うという仕組みです。例えば、英語を勉強したい日本人と、日本語を勉強したいオーストラリア人がいたら、日本人はオーストラリア人に日本語を教えてあげ、オーストラリア人は日本人に英語を教えてあげれば、お互いの利害関係が一致して両方ハッピーだよねって事になります。

 

Language Exchangeは、大きく分けて2通りの方法があります。1つは大学の語学センターなど、多国籍の人が集まりやすい場所で「私のネイティブ言語は○○で、現在△△語を勉強しています。△△語のネイティブで○○語を勉強したい人、連絡ください!待ってます^^」とか書いた紙を掲示板に貼って連絡を待ったり、あるいは自分が掲示板で募集をしなくても、既に掲示板に貼られているポストで自分の条件に合う人が見つかればその人に連絡してもいいです。

 

もう1つはウェブ上でLanguage Exchangeのサイトに登録するという方法です。この手のウェブサイトは多数あるのですが、僕が使っているのはConversation Exchangeというものです。このキーワードで検索すると、既に他の人がブログなどで解説されているので、だいぶ内容が被る事はあると思いますが、一応書くだけ書いてみようかなと思います。

 

まず、エクスチェンジの基本的な仕組み自体は他のLanguage Exchangeと決定的と言えるほどの大きな違いはないように思えます。無料でE-mailアドレスを登録してサービスの利用を開始して、自分のプロフィールを作ります。プロフィールには自分の名前、性別、年齢、自分のネイティブ言語、学習中の言語と現在のその言語のレベル、自己紹介欄のそれぞれを自分で記入し、その下にはプロフィールを作成した日と最後にログインした日付が自動的に表示されるようになっています。

 

いたって普通だとは思うのですが、なんか印象はいいんですね。誰かに語学の話し相手を探す時にどうしているかを聞かれると僕は毎回Conversation Exchangeを使っていると答えるのですが、個人的には「他のサイトと比べて怪しい人があんまりいなさそうだね」「安全そう」「よさそうだね」と言われる事が多い気がします。

 

確かにそう言われてみると、僕は他にももう1つのサイトに登録だけはしてあるのですが、そのサイトからは結構怪しげなメッセージが届く事があったりしました。「私は内戦真っ只中の○○出身の女の子で、○○万ドル相当の親からの遺産があるのですが、このまま私が持っていても命を狙われて危ないので、誰か他の人にあげたいです。プロフィールを見てあなたなら信用できると思ったので、ぜひ連絡ください」みたいな(笑)「プロフィールを見て信用できると思った」と言われても、僕、このサイトのプロフィールには確か名前ぐらいしか書いてなかったと思うんですけどね(笑)

 

ただし、いかに一般的には「安全」「いいサイト」という評判があろうとも、怪しい奴が1人たりともいない100%完璧なサイトはないと思います。というのも、Conversation Exchangeでも、プロフィールを何人分か見てみると、いくつか「私は既婚者なので、語学目的ではなく交際目的でメッセージを送ってくる男性はお断りします。できれば女性の方からのメッセージをお待ちしています」といった類の注意書きが自己紹介欄内に見られる事があるのですね。交際目的の輩が1人もいなかったら、こんな注意書きは書く必要はないはずです。何件も見られるという事は、最初から「付き合いたい」と思ってほぼナンパ同然に話しかける人が少なからず存在するという事の裏返しでもあるのでしょう。

 

なので、英語をはじめとした西洋系の言語のパートナーを探している日本人女性はこの辺には気を付けた方がいいでしょう。何人かの日本人の女の子の友達にLanguageパートナーを探す方法を聞かれてこのサイトを紹介したら、みんな「登録してすぐにメッセージがもらえた!」というのですね。で、そのままトントン拍子に上手くいくケースもあります。別に最初はそんなつもりでもなかったのに、登録して間もなくして知り合ったフィンランド人男性と気が付いたら意気投合してしまい、そのまま付き合う事になった女の子もいました。この2人はその後頻繁に日本とフィンランドを行ったり来たりしており、現在は同棲中です。

 

でももちろん、そんな夢みたいなケースばかりでもなく、ただ単に日本人の女の子をナンパしたいだけのヨコシマ君な男もチョロチョロいますので、日本人女性のみなさんは、男性が自分からメッセージを送ってきた場合は、その人のプロフィールやメッセージの文面をよく見て、本当に信頼できる人物なのかを慎重に見定めるようにするとよいと思います。ていうか、語学に集中したいのなら最初から「私は女性のラングエッジパートナーしか探してませんよ」と注意書きを載せてしまうのも安全でいいかもしれないですね。

 

んで、日本人男性はどうなのかというと、僕の個人的な経験から主観バリバリに言うと、結構苦戦するのではなかろうかと思います。日本人女性に関しては、オンライン上でも比較的簡単にパートナーが見つかるし、オンラインのみならず現実世界でもフランス人やアメリカ人やカナダ人等の西洋系の男性と付き合っている人をよく見聞きする気がするのですが、僕の知る限りでは、日本人男性は西洋女性にはあまり人気がないような印象があるのですね。

 

僕自身、性別を問わずメッセージを送ってみてもシカトされまくりとかいうのもザラにありました。僕は英語圏の人間に関しては、アメリカ人男性とかからメッセージが届いた事は何回かあるのですが、女性から来たのはほとんど覚えがないです。メッセ―ジが来てやりとりが始まったとしても、数回メッセージのやりとりをしたらそのまま自然消滅するというパターンも何回も経験しました。たまたまベルギー人の女の子からメッセージをもらえた時は、その子とは直接会って実際にLanguage Exchangeをする所まで行きましたが、3回ぐらい会ったらそれで終わりました。

 

ふと思ったのですが、これ、アジア系言語の学習者だとどうなるのでしょうね。僕自身はアジアの言語はそんなに真剣に勉強した事がないので知りませんが、対象をアジアに絞ると、日本人男性は韓国人や中国人やフィリピン人やインドネシア人やベトナム人などの女性から人気だが、日本人女性はこれらの国の男性からあまりモテない、などという逆転現象はあるのでしょうか。

 

さて、今でこそ僕はスウェーデン人の友達とのやりとりが途切れずに続いているのですが、彼女と知り合ったのはこのサイトに登録してから2年ぐらいは経過してからの話です。あの時はとにかく誰でもいいから北欧の知り合いが欲しかったので、サイト内で日本語に興味がある北欧人という条件で検索をかけて出てきたフィンランド人やスウェーデン人やデンマーク人に片っ端からメッセージの乱れ撃ちをしました。年齢性別関係なくやったので、20歳ぐらいの女の子から40近いオジサンとかにまで、幅広くメッセージを送りました。そしたら返事をくれて、尚且つ連絡が途絶える事がなかったのがたまたまスウェーデン人だった、という訳です。

 

最近は、自分の希望である北欧系の人から結構メッセージをいただけるようになった気がします。スウェーデン人に関しては、男性からも女性からもどちらもあります。自己紹介の欄にスウェーデン語での表記も追加した後での事なので、もしかしたらそういう何か珍しいものがあると話しかけられやすくなるのかもしれませんね。

 

いずれにせよ、自分にピッタリ合った理想的なパートナーに出会えるまでには多少は時間がかかると思います。「良い人が見つかれば儲かりモン」ぐらいの気持ちで構えて、ラングエッジパートナーと喋る以外の他の勉強もしながら気長に待つしかないのでしょうね。

 

《ポイントまとめ&補足》

・Language Exchangeならお金をかけずに勉強したい言語のネイティブと話すチャンスがある

・Language Exchangeには語学センター等の掲示板を使う方法と、オンライン上での登録をする方法がある

・向こうから話しかけてくる人の中には、単なるナンパ目的の輩もいる可能性があるので、日本人女性の場合は特に注意(主観バリバリ)

・日本人男性の場合は特に、長期戦を覚悟すべし(主観バリバリ)

・自己紹介欄で何か面白い内容の事を書くと、メッセージがもらえるかも?

・パートナーと自然消滅する事もザラにあるので、気長にやる事

 

※補足※ 

あと、ラングエッジエクスチェンジは、自分もパートナーも必ずしも言語を教えるプロではなく、あくまでボランティアで教え合うものなので、パートナーが見つかった後にどれぐらいの学習効果があるのかは自分とそのパートナー次第です。僕もスウェーデン人の友達とスウェーデン語での会話を始めたばかりの頃は、自分のスウェーデン語は下手だったし、彼女はスウェーデン語のノンネイティブを相手にスウェーデン語のみで喋るのに慣れてなかったので、最初は意思疎通が上手くいかない事も結構ありました。でもそんな事はむしろ当たり前で、そこでお互いにじっと我慢して少しずつ成長できるかがカギだと思います。