本編の最終話で、チョロッとお金の話も出しました。オーストラリアでのワーホリを開始した時と終わった時とで比べて、オーストラリアの銀行の貯金残高が8,000ドル強ほどの黒字になったと。ちなみに、タックスリターンの時に計算して出た数字だと、たしかあの1年での僕の年収はだいたい2万ドルぐらいでした。オーストラリアより賃金の安い日本でも、年収200万円切ってたらワーキングプアとか言われますから、僕の収入はそんなレベルだったという事です。しかも、オーストラリアは日本よりもかなり物価が高く、普通に暮らしているだけでもどんどんお金が減っていくはずの国です。そんな中でどうやって8,000ドルも貯金を上乗せできたのか?という疑問が湧く方もいらっしゃるかもしれませんので、今回はその事について書いていきたいと思います。

 

「どうやって」と言っても、理論的にはとてもシンプルです。貯金、あるいは黒字というのは、手元に入ってきたお金(収入)よりも使ったお金(支出)が少なければ発生するものです。なので、収入が少なくて、収入が増えないままでも、支出を減らせばその減らした分だけ貯金は増える事になるのです。逆に、極端な話、どれだけ巨額のお金を手に入れようとも、それに相当する額のお金を使ってしまったら、いつまで経っても貯金は増えないという事になります。プロのスポーツ選手とかでもいますよね、そういう人。現役時代は億単位の年収を毎年もらっていたから、普通の生活をしていれば何億とか十何億とかの貯金があってもおかしくないはずなのに、引退して収入が激減しても生活レベルを落とせずに銀行の預金残高が数千円になってしまった人とか。

 

では、そろそろ具体的な節約方法に参りましょう。僕が採用した戦法は、いたってシンプル。それは「(あくまで自分の納得できる範囲でではあるが)買い物は徹底的に安いものを狙え」です。住む場所に関しては、CBDから少し距離のある所で家賃が1か月で500ドル(しかも光熱費込みで)の物件を発見して、そこを見つけてからはレンマークに向かうためにメルボルンを出るまでずっとそこに住み着いてました。

 

食費に関しては、この話をするたびにみんなからドン引きされました。日本人のみならず地元のオージーやドイツ人とかからも。僕のオーストラリアでの食費は1か月で120130ドルぐらいだったと思います。基本食材を買いに行くのは週1回で、1回の買い物で使う金額がほぼ毎回20ドル台~35ドルの間に収まっていました。ちなみに、僕はオーストラリアの水道水が飲み水としてなんとなく心配で(実際レンマークのバッパーの水道水は水の出始めで黄土色の水が出た事もあった)、飲み水はスーパーで買ったものしか飲んでいませんでした(これも600ml×24本入りの割安のものばかりを買って費用を抑えていました)。なので、飲み水を買わずに水道水で済ませていれば、食費100ドルを切る月も出てきていた可能性もあったと思います。

 

なんでそんな事が可能だったのかというと、僕は基本同じ物ばかりを食していたからです。基本パスタばかりでしたね(アメリカ留学の頃はいろいろ作ってたのにな~)。一応栄養バランスは偏らないように、野菜は何種類か混ぜ、炭水化物と肉とフルーツなどは万遍なく摂取しましたけどね。あと、たまにカレーも混ぜて変化を与えてました。スーパーに食材を買いに行く時も、常に「安くて量のあるもの」というテーマに沿っていたので、買うものは決まっていました。

 

・ニンジン(たしか1キロで1ドル)

・玉ねぎ(同じくたしか1キロで1ドル)

・ジャガイモ(安いヤツなら袋に入ったやつで1キロ2~3ドルだったかな)

・パスタ(500グラムで65セントの一番安いヤツ)

・食パン(650グラムで1ドル)

・マーガリン(こっちではSpreadと呼ばれる。500グラムで1ドルの一番安いヤツを買ってました。)※ちなみに料理をする時はクッキングオイルの代わりにこのSpreadを熱してオイル替わりにしてました。

・リンゴ(1キロ2~3ドルだったかな。とにかく一番安いヤツ)

・フルーツジュース(2リットルで2ドルのもの、または3リットルで3ドルのもの)

・クッキー(おやつとして。たしか500グラムで2ドル)

・バジェットベーコン(1キロ7~8ドル。一旦これが安いとわかったらこればっかり買ってたから、他のものは値段のチェックすらしておらず、オーストラリアでは高い肉がいくらなのか知らないという…)

・ヨーグルト(値段は忘れたけど、とにかくたくさんパックになってて安いやつ)

・イチゴジャム(500グラムで1~2ドルだったかな)

・アイスクリーム(たまに買っていた。2リットルで2ドル40セントのバニラで、一番安いヤツ)

・塩(500グラムで1ドル)

 

まあ、ざっとこんな所でしょうか。僕はメルボルンに住んでいた時は、食材はALDIで買い、レンマークにいた時はWoolworthsでHomebrandの安いヤツを徹底的に狙っていました。同じWoolworthsでも、Homebrand以外のを選ぶと、例えば果物ジュースなら値段が倍ぐらい違う事もありました。

 

それにしても、なぜこんなにも安いものばかり買い、同じ物ばかりを食べ続けるなどという生活ができたのかについてですが、それは単純に、僕は同じ物を食べ続けても、それなりに好きな食べ物で栄養の偏りが酷くなければさほど問題なく食べ続けてられるような人間だからです。オーストラリアに来る前から同じ物を食べ続けられるかという実験していたわけではありませんが、やってみたら意外とできちゃったのでそのままやっていたというわけです。

 

本編の最初の方でも書きましたが、僕はそもそもこのオーストラリアでのワーホリでは「北欧に行くための準備」をテーマの1つに掲げており、きたる北欧行きの日までに貯金をできるだけ上乗せしておく必要がありました。これも節約生活をしていた理由であります。オーストラリアをぐるりと回っていろいろ旅をしたいとかは一切考えてなかったですね。まあ、僕的には、メルボルンとレンマークだけでもいろんな職場で働くという体験ができたので(しかもそれなりのお金をもらって)、必ずしも旅行をしなくても、オーストラリア社会を覗いてみたいという目的も十分達成できていました。

 

ちなみに、この同じ物ばかりを食べるという戦法は、それほど広くない部屋に大人数が住むシェアルームでも威力を発揮しました。なにせ食材の種類が少ないので、収納スペースがあまり残されていなくても、隙間にシュッと入れてしまえるのです。炭水化物にお米よりもパスタを選んだのもそれが理由です。お米だと収納スペースが限られている時に保存場所に困るが、パスタなら必要な時に必要な分だけさっと茹でればよい。バジェットベーコンは買ってきたばかりのまだ切りやすい状態の時に、4等分とか8等分とか、場合によっては10等分とかにして、スーパーにある無料でもらえるビニール袋をたくさん取り、それらに分けて入れ、それを冷凍庫で凍らせる事で長持ちさせてました。

 

携帯は、プリペイドで4週間ごとにチャージしなおすタイプのスマホを本体120ドルでゲットし、月々30ドルで使ってました。たしかネットで使えるデータ容量は500メガだったか1ギガだったか…うろ覚えです。

 

とまあ、こんな事ばかりやっていたので、例えばレンマークで会った日本人女性Mさんには、「すごいね…でも、真似しようとは思わないです。。。」と、半ば呆れ気味に言われました。今この記事を読んでいる方々にもそう思われてるかもしれませんね~。

 

でも、これはあくまでどうしても貯金をする必要があったオーストラリアでの1年間限定の緊縮財政ですからね!いつもこんな生活をしてるわけではありませんぞ!