みなさんは、オーストラリアのワーホリでシェアルームを探すとしたら、どんな事に注目して探しますか。そこにいる人がどんな人かとか、1週間あたり家賃はいくらか、駅やスーパーに徒歩何分で行けるかなどは、誰でもパッと思いつくような項目でしょう。でも、実際に部屋が決まってそこに住んでみると、「こんな部屋だったなんて知らなかった!」とショックを受ける事もしばしばあるかと思います。僕自身、オーストラリアに来て最初に入居した部屋は後になって嫌な点が浮き彫りになってきたというものでしたので、ここでは僕の当時の「ガビーン」体験の例をいくつか挙げながら(本編でもこの部屋への不満はいくらか書いたので多少重複しますが)、どうしたらそのような事態を入居合意をする前の段階で防ぐ事ができるかを考えたいと思います。

 

ガビーンその1:冷蔵庫内の収納スペースがほとんど残っていない

僕がまず「しまった!これ事前に確認しとけばよかった!」と思ったのは冷蔵庫のスペースです。僕が当時住んでいた部屋は住人が7人もいたのに冷蔵庫は1つのみでした。大きさは普通ですが、7人でシェアするにはやや小さすぎ、新しく入居した僕が食材を収納するスペースはそれほど残されておらず、食材の保管に困ったものでした。で、ただでさえスペース不足なのにここの住人の連中はそこから更に食材や料理の入った容器をグイグイ詰め込んでいたので、ある日僕が冷蔵庫のドアを開けたら、それだけでガラス製の容器が滑り落ちてきて「バリーン!」と割れてしまった事もありました。

 

ガビーンその2:洗濯物を干すスペースがない

大人数で住んでいるような部屋では、洗濯物を干すスペースも特に注意しなければならない点の1つだと思います。この部屋では小さな洗濯物干しが部屋の中に1つ、ベランダに1つと2つずつあるだけで、洗濯物干しは常に洗濯物でいっぱいでした。自分が洗濯したくてもまだロクに乾いていない洗濯物ばかりが洗濯物干しにかかっていたら、自分の洗濯物を干す場所がありません。

 

ガビーンその3:キーが1人1つずつ用意されていない

シティ内のアパートは30階とか40階とかあるような高層ビルも少なくなく、こういったビルでは階段が普段使えず(階段はあるのだが、非常用階段であり、下ってきた人が中からしかドアを開けられないようになっているため、下から上るためには使えない)、各階の移動はエレベーターで行うなんて事にもなります。で、こういうエレベーターは電子キーでタッチをしないとボタンを押しても反応しないようになっており、電子キーを持っていない人はエレベーターが使えません。にもかかわらず、エレベーターを使うための電子キーが住人1人に1つ用意されない事もあるのです。電子キーのない人は自分1人では部屋に戻ってくる事はできず、自分の外出中に他の住人も外出して部屋が空っぽになってしまったら、疲れた状態で帰ってきてもメシも食えず、シャワーも浴びれず、トイレにも行けずという踏んだり蹴ったりな状況になってしまいます。

 

ガビーンその4:暖房を使用する際は家賃に加え別料金発生

よく1週間あたりの家賃の所にBills includedと書かれている物件があります。これは光熱費込みという意味で、例えば家賃が週150ドルでBills includedだとしたら、この150ドルの中には家賃だけでなく電気代やガス代や水道代も含まれており、ネットやシャワーなどの使用量の上限は特に気にせずに使えるという事になります。しかし、中にはBills includedと書いてあるくせに実際には光熱費込みになっていない場合もあります僕のオーストラリアでの最初の部屋もそうで、Bills includedのはずなのに真冬でも暖房を使わせてもらえませんでした(しかも住人の連中はその状態で窓を開けっ放しにする)。そしてどうしても暖房を使いたいのなら、僕だけ追加料金を払えと言われました。暖房をつけたら住人全員が温かい部屋に住む事ができるというのに、その場合は僕が暖房をつける事によって発生する光熱費の上乗せ分を住人7人で割り勘でなく僕1人で負担しろとの事でした。そんな条件は飲めなかったので、結局真冬に寒い部屋で暖房無しで過ごしました。

 

ガビーンその5:毛布がない

これはCBDの部屋ではなく、セイントキルダに引っ越した時の話ですが、引っ越した日の夜に「さぁ寝ようか」と思ったらベッドに毛布がなかったというものです。シェアルームの毛布は部屋に元々あってそれを貸してもらえる場合と、住人が自分で用意をしなければならない場合があり、ない場合は自分で買わなければなりません。僕の場合は一応トラム一本でシティ内のBig Wに行けたので、夜11時台とかでもなんとか8ドルぐらいの安い毛布を見つけてちゃんと毛布をかぶって寝る事ができましたが、交通の便が悪い部屋で夜に毛布がない事に気づくとその場で買いに行く事もできない可能性があるので、入居時に毛布があるかないかも確認しておくとよいでしょう。

 

僕の経験や人から聞いた話では、基本的にシティの中心部に近づくほど家賃は上がり、1つの部屋に何人も住んでいて1人あたりのスペースが狭くなるのに対し、シティから離れるにしたがってスペースも広くなり、周りも静かになり、家賃も下がる傾向にあるように思えます。シティの中心部では中華系や韓国系の部屋がけっこうたくさんあり、台湾人や香港人、韓国人に囲まれる可能性もそれなりにあります。こういった中華系や韓国系の人は既にワーホリを2年終え、その後さらに学生ビザで滞在期間を延長し、学校にテキトーに通いながらバイトにも励み、尚且つ住人たちから家賃収入も得るという形でなかなか稼いでいらっしゃるようです。

 

こういった中華系や韓国系の人たちはもちろん一括りにして語る事はできず、親切な人もいれば不親切な人もいます(実際、僕が最後の1か月にメルボルンにいた時に滞在していたアパートの韓国人は普通に良い人でした)。ただ、場合によっては実はあまり誠実さがないのに最初のうちだけ良い人なふりをする奴もいるので、部屋をひととおり見て説明もしてもらったら、その後で「今してもらった説明の他に、何か特にルールはある?」と聞いてみるとよいかもしれません。ここで「いや、特にないよ」と言わせておけば、入居してから後出しジャンケンのように新たなルールが知らされたとしても、強く言い返す事ができますからね。部屋の見学時の最後の一言として放つ「何か他にルールはありますか?」は魔法の一言です。