ATO(Australian Taxation Office)での対応にがっかりした僕は、ここに書類を提出する気をなくしてしまい、エージェントに頼むという選択肢を考えるようになった。ここで僕は、早速あるタックスリターンのエージェントのホームページをチェックした。そのエージェントの名前はSuper Tax Refundsクイーンズランド州に本部があるタックスエージェントだが、そこまでいかずともオンラインでの申請もできる。このエージェント、どうやって見つけたのかというと、メルボルンのバッパーに泊まっていた時にたまたまトイレの個室にポスターが貼ってあったのを見かけたので、とりあえずそのエージェントの名前とホームページのURLと連絡先をメモしておいてあったのだった。

 

ホームページをチェックしてみると、ワーホリの人の利益をちゃんと考えてくれた仕組みになっているという印象で、なかなか良さそうなエージェントだなと思った。まず、ワーホリの人がお金を損しないようにできている。このエージェントは、ATOでタックスリターンの審査がうまく通らずに申請者の税金が返ってこない場合、エージェントがどれだけの事務処理をしていたかに関わらずワーホリの人から一切お金を取らない事にしている。税金が返ってくる事が確定した場合、その返ってくる額のお金をまずはATOからエージェントが受け取り、そこから手数料を差し引いて残った額を申請者が指定しておいた銀行口座に送金するというシステムのため、申請者がエージェントに手数料を払うプロセスが省略できている。例えばタックスリターンとしてATOから返してもらえる額が1000ドルだと決まった場合、そこから150ドルとかが差し引かれ、850ドルが自分の手元に入る。

もう一ついいなと思ったのは、このエージェントの手数料の額は固定制だという事だ。手数料の取り方にはパーセンテージ制と固定制があり、どちらがいいかはどれだけの税金が返ってくる見込みかによって変わると思う。例えば手数料が返ってくる額の10%で、その戻ってくる税金が700ドルとかの比較的少額である場合、差し引かれるのは70ドルであるため、それほど損はしない。だが、これが5000ドルとかになると、同じパーセンテージで500ドルも手数料で取られる事になる。一方で、固定制であれば、エージェントに払うお金は一定であるため、返してもらえる見込みの税金の額が大きければ大きいほど、パーセンテージ制に比べて有利である。少額のタックスリターンの場合は固定制の方が不利になる事もあるかもしれないが、僕の場合は大体3000ドル弱ぐらいの税金は返ってくるだろうと計算していたので、固定された手数料の所を選んだ方が有利だという結論に至った。

 

早速申請をするために、オンラインで手続きを進める。すると上手く入力した情報や書類のファイルが送れていないようで、エラーの画面が出てしまった。そんな時でも大丈夫。カスタマーサポートサービスの欄をクリックすれば、Skypeのテキストチャットのようにウィンドウが現れ、サポートスタッフとテキストチャット形式で相談ができるのだ。事情を知ったスタッフは、僕にメールで簡易式のフォーマットを送ってくれた。これに必要事項を入力してメールで送ってくれれば、エージェントの方で手続きできるのだという。

 

ここで意外と面倒だと思ったのは、僕の代わりにこのエージェントがタックスリターンの手続きを進めるには、POAが必要だという事だった。POAとは、Power of Attorneyの略で、「私はこの人に私の代理としてこれこれこういう仕事をしてくれるように正式にお願いしているんですよ、だからこの人にはその仕事を遂行する権限があるんですよ」という証明である。POAをこのエージェントに発行するには、POAの書類が正式なものであるという事を証明するために僕の身分証明を何種類か用意せねばならず、その身分証が正式なものであるという証明のスタンプももらわなければならなかった。これらをクリアした正式な書類をCertified Documentsというのだが、書類をCertifyするスタンプをもらうためには裁判所とか警察署とかに行かねばならず、けっこう面倒くさかった。そしてCertified Documentsが揃うと、バックアップとしてそれをデジカメやスマホ等で写真に撮って残しておき、オリジナルの書類を郵送でクイーンズランドの本部に送る。そして念のため、バックアップの画像もメールでエージェントに送っておく。これでエージェントが書類を受け取れた事を確認できたらとりあえず一安心だ。

 

後はタックスリターンに関して僕の方でやった事といえば、エージェントの人にちょこちょこリマインドを送る事ぐらいだろうか。僕を担当してくれた人は「次の○○のステップに進めるためには大体○○日(週間)かかるから、それを過ぎても何もない場合はまたリマインドのメールを送ってください」とその時の進行状況を知らせた上で言ってくれた。他の人の場合はどうなのか定かではないが、僕の場合は最終的には9月の2週目あたりに指定しておいたオーストラリアコモンウェルス銀行の口座に無事に税金が送金されていた。金額は予想していた3000ドル弱から手数料が引かれた、約2700ドルだった。

 

ヒーハー(^0^)