前回にも書いたように、仕事は簡単で、給料は良くて、労働時間もちょうどよく、ボスも優しいという天国のようなファームジョブにありつく事ができた。ただ、この時期(2月)のレンマークは真夏で、最高気温が40℃を超える事も珍しくない。(湿度は低いので日本の38℃よりはよっぽどマシだが)そして、ここでは一日のうちで一番暑いのは日本と違って昼の1時ごろとかではなく夕方4~5時ごろあたりだ。そして朝と夜はちゃんと20~15℃ぐらいまで気温が下がるため、朝晩はエアコンがなくても涼しい。というか上着がないとちょっと寒いぐらいだ。そのため、必然的にこの時期のこのファームでは朝6時過ぎごろから働き始め(それより早いと日が昇っておらず暗すぎる)、昼の2時台とかには仕事を切り上げるスタイルが一般的となってくる。
通勤には車を使い、車を運転している最中はラジオをつけていた。オーストラリアについてからというもの、そもそもラジオというものを聴いた覚えがなかったのだが、このファームで働くようになって、日本でもあまり聴く機会のなかった朝6時台の早朝ラジオ番組を毎日のように自然と聴くようになったのだ。
よく聴いていたのはToday’s Surprising Factというコーナー。朝6時を少し過ぎると、“The dictionary defines the word ‘fact’ as…. Huh! Who cares?”というようなセリフから始まり、「さぁ本日紹介のビックリな事実は何でしょう?」みたいな流れで、1日1つずつ「ビックリな事実」を紹介するのだ。本日のトリビアって感じかな。
1人が「本日のビックリな事実」を紹介し、もう1人が聞き手みたいな感じで2人で話を進めていく。たまに聞き手から「それのどこが『ビックリな事実』なの?」とか突っ込まれるようなあまり面白くないネタもあるが、「へぇ~」と言いたくなるような事実がけっこうあった。例えば、実はアップル社が今度は自動車産業にも手を出し、iCarなるものを作ろうとしていた事とか、世界中で既に亡くなった人のFacebookのアカウントが3000万人分もそのまま放置されているとか、公共の場でレギンスを着用するのは「わいせつ行為」にあたるとして最大で禁固5年の罰を伴うレギンス禁止条例というトンデモ条例を議会に提案したアメリカ人がいるとか(←当然のことながら猛反発喰らって結局実現には至らず)、「マジで言ってんの?」と思うようなネタが多かった(←だから「本日のショッキングな事実」なんだけど^^)。
他にも、昼とかになるとリスナー参加型の「あなただったら○○派?それとも××派?メッセージお待ちしてます!」みたいなコーナーがあったりする。例えば、「スーパーで買い物する時、あなただったら買い物リストにメモしておいた物に直行する?それともとりあえず端から端まで歩いて回る?」とか「あなただったら出席したくない面倒な結婚式をパスする時どんな言い訳をする?」とか。これが結構リスナーからのレスポンスがあって、そのリスナーの意見を基に「ほらほら、俺の言った通りだ!やっぱりみんなもこう思ってんだろ^^」「えぇ~私はちょっとそれ理解できない~^^;」とかいう感じのやりとりが繰り広げられたりして、こういう話を聴くのも面白いもんだと思った。
そういえば最近、ホステル内でも面白いお話を見つけた。以前別のオレンジファームで一緒にオレンジピッキングをした事があるMさんがなんだかニヤニヤしながら本を読んでいたので何ニヤニヤしてるんですかと聞いたら、「これ面白いよ^^」と、ある本を薦めてくれたのだ。それは『インドなんかもう絶対に行くか!!なますてっ!』という本で、さくら剛というペンネームの人が自身のインド旅行での実体験を基に書いた本だ。読んでみるとほぉなるほど。いろいろと大変な目に遭われているようだが、その様子がコントのように面白おかしく書かれていて笑ってしまうのだ。書いてる時の言葉遣いがいいね、うん。愚痴を言う時とかに出てくる例え話とかも独特だし。あんまり面白かったから、自分がこのブログ書く時もこの人の文章スタイルちょっとばかりパクった事もあったからね。【ヒーハー29:Disappointed】に出てくるリーの台詞の「僕はできない理解を君がコンタクト数を確保できない理由が」だって、元ネタはさくらさんの本から取ってきた表現だしね。いかにも学校の英文和訳に出てきそうなモロ直訳な日本語をわざわざ使うって所が個人的にツボで、ついつい自分でも使ってしまった。
僕がこのブログを書こうかなと思い始めたのは、例の中くらいのザンギエフがいるあの最初のセールス会社に入ったあたりで、「もしかしてこのワーホリ、文章にしたらけっこうネタになるかも」と考えたのが大きなきっかけだった。だけどやはり世の中は広いもので、さくら剛さんの旅行記に比べたら僕のブログなんてただの日記レベルだよな~と痛感させられた。まぁそれでもいいさ。僕の書いているようなこの程度の文章でも、どっかの誰かは読んでいるかもしれない。書きたいから書く。それでいいのだ~。