カフェでのキッチンハンドの仕事にも慣れてきて平穏な日々が訪れたかと思いきや、最近新しい問題が湧き上がった。職場でではなく住んでいるアパートで。このアパートの部屋にはトイレが1つしかないのだが、そこの洗面台の配管が詰まってしまったのだ。以前からこの配管は流れがスムーズでなく、水が溜まって水面が時間をかけて下がっていくという感じだったのだが、最近はほぼ完全に詰まってしまったようで、水面がほとんど下がっていかないのだ。さらにこの配管の奥の方に溜まっていた汚れが浮かび上がってきており、水は汚いし、その水を汲み取ってトイレに流してシンクの水を空にすると、配管から嫌な匂いが漂ってくる。コイツは重症でゴンス。
たまらず大家さんのスターリンに連絡すると、彼から返ってきたのは意外な返事だった。
スターリン:「あれ?その問題、以前既に配管工を手配したと思うんだけど、来てないの?」
僕:「え?そんなの一回も来てないです」
スターリン:「しょうがないな。もう一回手配して、今度こそは確実に行かせるから」
そして翌日の朝。まだ寝ていた僕はスターリンの電話で目が覚めた。
スターリン:「おはようショーン。もうすぐ配管工が来るはずなんだけど、あと20分しても来なかったらもう一回僕の所に電話してくれ。いいね?」
大家からの修理の依頼を無視して部屋にも来ず、そして今回は大家が「この配管工はちゃんと部屋に修理に来ているだろうか」とチェックしなければならないとは、何というクオリティの低い事か。そして一応、スターリンの電話から20分以内に配管工は来た。
配管工:「オーッス^^どこがどんな感じに悪いんだ~い?^^」
やってきたのはいかにもテキトーそうな雰囲気のオジサンだ。その隣にはまだ見習いらしき見た感じ10代の半ズボンの少年がトイレのガッポンを持って立っている。
僕:「トイレのシンクが詰まっちゃって、水面がほとんど下がらないんです。嫌な臭いもするし。」
配管工:「No worries, man^^」
そういうと、配管工のオッチャンは横のボーイのガッポンを手にすると、ガッポンガッポンし始めたのだが、水面が下がっていく様子はあまりない。「バケツはあるかい?」と聞いてきたので、バケツを1つ差し出すと、シンクの下の部分にの配管の一部分を取り外した。配管からは溜まりに溜まった汚れた臭い水がドバっと出てきて、それをさっき渡したバケツで受け止める形になった。そしてオッチャンは数秒間シンクをジッと見つめると、こんな事を言い出した。
配管工:「コイツは強力な薬品が必要になりそうだな。今日は持ってきてないから、明日また持ってくるよ。明日の午後は大丈夫かい?」
オイオイ、最初から用意しとけよ、その薬品。
そして翌日。あの配管工のオッチャンはこの日の午後に来るといっていたのに、全く来る気配がない。何をやっているのだ?と思っていたら、その翌週の月曜日にオッチャンから電話がかかってきた。
配管工:「オィーッス^^明日の朝に君のトコもう一回来るんだけど、OK?今回は薬品用意してきたからさ」
なんちゅう能天気な男なのだ^^;これでクレームとかもらったことないのかねぇ?一応火曜日の朝は空いてはいたからOKしたのだが、今回は本当に奴は予告通り火曜日の朝にやってきた。できるんじゃん、時間通りに到着するの。最初からやっとくれよ。そして到着した配管工のオッチャンはまたもシンクをじっと見つめ、数秒間何か考えているようだった。
配管工:「ふ~む。僕が前回来てから今日までの間、誰か他の配管工でも来たのかい?」
僕:「いや、誰も来てないですけど?」
配管工:「ふ~む。」
そういうとオッチャンはまたシンクを数秒間見つめた。そしてその隣には相変わらず特にやる事のない半ズボンの少年。
配管工:「All good, man^^」
そう言うと配管工のオッチャンは半ズボンの少年と共に帰ってしまった。一体何だったのだ?なんというクオリティの低い仕事っぷりだろうか(笑)でもこんなんでもけっこう高い給料もらってんだよな。くそー、羨ましい。