ライアンの部屋に移動してきてその翌日から、早速仕事探しの準備に取り掛かった。まず最初に行ったのはTFN(Tax File Number)のオンライン申請。オーストラリアでワーホリ君として働く場合、このTFNを事前に取得しておくと安心だ。正確に言うと、TFNは絶対になければいけないものではないが、持っていないと後々不利になる場合があるのだ。政府に税金を払わなくていいように給料を現金手渡しで行う違法な経営をしている店で働く場合は別にTFNなしでも影響はないが、現金手渡しでなくちゃんと銀行口座に給料を振り込んでくれる雇用主の元で働く場合、TFNを登録しておかないと最も高い税率で所得税が給料にかかってしまう。言い換えると、TFNがないと給料の約半分を税金で持っていかれてしまうのだ(泣)このTFN、オンラインでの申請が完了すると、申請の際に入力しておいた住所に封筒で届くようになっている。なので、まだ定住先が決まっていない段階では申請しない方が無難だと思う。

TFNの申請が終わったら、次は履歴書の作成だ。オーストラリアでは、日本と違って市販の履歴書というものがない。ここでは履歴書は自分でWordで作成して印刷するものなのだ。履歴書の書き方のサンプルは、How to write CVとか、とにかく「履歴書の書き方」という意味になるようなキーワードでネット検索すればいくらでも出てくる。僕もいくつか出てきたサイトのCVを参考にして書いた。僕が見つけたページのを参考にして、自分がどのような人物なのかがわりと詳しめにわかるように作ってみたらWordで2ページ分の長さの履歴書になったが、できれば1ページに収まるようにしたほうがよかったと思う。履歴書の長さが2ページあると印刷する量が倍になってしまうからだ。どうせ読む側も端から端までしっかり読んでいないのだから、履歴書の作成はコストがかからないようにした方がよい、と、このブログ書いている今更になって思う。

その翌日からはいよいよ実際に自分を雇ってくれそうな所への接触だ。APLaCやノルウェー人のジョンから得た情報で、とりあえず手当たり次第レジュメを配って回ればよいという事は確認できたし、レジュメも完成したのだが、実際に町へ出てレジュメ配りをする前にやってみたいことがあった。実は、まだシェア探しでバッパーに滞在していた時、バッパーの掲示板にいくつか仕事の求人が貼られているのを発見し、それらの責任者の名前と連絡先を全てノートにメモしておいてあったから、まずはそこから連絡してみようと思ったのだ。その中でも、特に気になる求人が一つあった。「週1,000ドル稼げます。連絡待ってます。byトム  連絡先:04××-△△△-○○○」。

他の求人は「Hello!私たちは○○という会社で、○○な仕事をしていて、○○な人材を探してます!私たちと一緒に、○○チームの一員として働いてみない?(以下略)」という感じで、もっとどんな会社か強くアピールする感じだったのに、トムのは違う。しかも、他の求人はみんなちゃんと印刷されたもので、中には凝ったデザインのものもあったのに、トムのは白い紙一枚にマジックの手書きだった。なんというクオリティの低い求人だろうか。でもなんか逆にそれが僕の目にとまり、まずはここから連絡してみようと思った。メモしておいたトムの携帯番号にテキストメッセージを送ってみた。

「こんにちは。バッパーに貼られていた求人を見たんですけど、具体的に仕事の場所とか内容とか、どんな仕事か教えてもらってもいいですか?お返事待ってます、ショーン」
そしてトムからの返事を待っていたのだが、この携帯での問い合わせ、なんと2分で返事が返ってきた。「Face to Face promotion。月~金。11時~19時。仕事のための交通手段やiPad、ユニフォームはこちらで用意します。週800ドルの基本給+Weeklyボーナス」。

おぉ、Face to Face promotion!まさに「いっぱい聞けて~いっぱい喋れる~♪」状態な職場という事ですな。これこれ、こういうのが欲しかったんですよ!仕事してるだけで一日中喋りまくりの英語漬けになるような職場(^0^)そこで「その仕事、とても興味があります!まだ空きがあれば是非応募させてください」と早速トムに返信してちょっと待ってみた。すると、無反応。やっぱりこんなもんかなぁ。とりあえずバッパーでメモしといた他の求人の連絡先にもコンタクトとってみるか~。そして1時間ちょっとすると、携帯に一件のテキストメッセージが。トムからだった。「応募ありがとう!面接の住所は下記の通りで、午前10時開始です。ではまた明日!」。

なんと!職探しの最初のコンタクトから1時間ちょいでもう面接が決まってしまったではないか。何十件もメッセージ送ったりレジュメ配っても全部シカトされるような展開も想定していたというのに…こいつはなんとも嬉しい誤算だ。Face to Face promotionの仕事の面接だったな。ええっと。何着てこう。やっぱりスーツかな。アンドリューに聞いてみよう。

このアンドリューという台湾人のルームメイト、僕がこの部屋に移ってきた初日に職探し中だったらしく、その時に僕に仕事探しの助言を求めてきたから、答えられる範囲で答えておいたら、その甲斐あってか(?)仕事が決まったそうな。そこで今度は僕が彼に面接の服装はどうしようかと聞いてみた。すると案の定「Face to Face promotionってことはセールス系だよね?じゃあスーツ着てくべきだよ」と答えるアンドリュー。そうですよな、常識的に考えて。こんなこともあろうかと一応スーツを一着日本から持ってきておいて良かった。何はともあれ明日は大事な大事な面接だ。これで早々に決まっちゃうといいな~。