2014年6月17日(火)。ついにこの日がやってきた。3月いっぱいで日本での仕事を辞め、約2ヵ月半自由な時間を過ごし、ついに旅立つ日がやってきたのだ。
この日はオーストラリアでワーキングホリデーをするために日本を出国する日で、僕はこの日をずっと待っていた。オーストラリアは日本人のワーホリの目的地として、カナダと並んで非常に人気のある国で、この日をもって僕はオーストラリアのワーホリ日本人の仲間入りを果たしたことになるのだが、僕がこの国にワーホリに来ることになった背景は、他の日本人はもちろん、他の国の誰と比べてもたぶん異質なものであると思う。
オーストラリアは元々興味がある国ではあった。おおらかな国民性が素敵だという評判は聞いていたし、アメリカや日本やヨーロッパの多くの国々が長い不況に苦しむ中でも、オーストラリアは比較的良好な経済状況を保ち、健全な経済成長を続け、この20年の間に1人あたりのGDPでは日本を追い越し、世界で最も物価の高い国の一つになり、なおかつ移民にとっても暮らしやすい国だというのも読んだ事があった。そんなオーストラリアという国を旅行者としてでも学生としてでもなく、一人の外国人労働者としての立場から見たらどのように映るのだろうという関心はあった。
だが、僕がオーストラリアに行くことにしたのにはもう一つ理由がある。それは北欧の国にいつか行くという夢をかなえるための準備の場所としてこの国を選んだという、「手段としてのワーキングホリデー」だ。僕は3月いっぱいで辞めた日本での仕事に就くよりさらに前から、北欧諸国、中でも特にスウェーデンに強い関心を持っており、いつか必ず行こうと思っていた。当初は何年かは日本で働いて貯金をし、その間にスウェーデンで勉強をするために必要な準備(主に英語とスウェーデン語の勉強)を並行で行う予定だった。だが、日本でフルタイムで働いた経験のある人ならほぼ誰でも知っていると思うが、日本では一度働き始めると自由に使える時間が極端に減ってしまう場合が多い。日本にはとてつもなく過酷な労働環境で働いている人など山ほどいるはずで、その人たちに比べたら僕の労働環境はまだ恵まれていた方なのかもしれないが、それでも忙しかった時期は残業が月100時間以上あったし、それほど忙しくない時でもやはり60時間ぐらいはあり、英語とスウェーデン語の両方を十分に勉強する時間はとても取れたものではなかった。
自分の上司にあたる人たちは優しい人が多かったので、職場の雰囲気としてはよかったが、将来の自分の目標を考えると、北欧に行く準備も大して進まないままの状態でその職場にあまり長い間とどまるのもどうかと思った。オーストラリアでなら働いている間は全部英語環境になるはずだし、英語に触れる時間が自然に増える分スウェーデン語の勉強に充てる時間もとりやすくなる。これが日本だと仕事が終わって遅くに家に戻り、家にいる短い時間の中から英語の勉強とスウェーデン語の勉強の両方の時間を捻出しなければならないため、時間の使い方に大きな差が出る。さらに先にも既に述べたように、国全体のGDPでは日本にかなわないものの、国民1人あたりの所得では日本を追い越してしまっているオーストラリアでなら、たとえ外国人労働者という低い立場で働いてもそれなりの収入を得て生活できるだろう、あわよくば日本にいた時よりも稼げるのではないか、という思惑もあった。
また、今回のワーキングホリデーはスウェーデンに行く前の予行演習みたいなものでもある。スウェーデンにはまずは留学で行きたいと思っているのだが、もしかしたらそこで仕事を見つけてそのまま住みたくなるかもしれない。今の段階では、気持ちとしては日本に戻ってくるのでもスウェーデンにそのまま住むのでもどちらでも対応できるようにしておきたい、といったスタンスだ。日本に帰ってくるのなら別に特に難しいことは考えなくてもいいだろうが、スウェーデンで仕事をして住むという事になった場合、異国の地で1人でちゃんと経済的に自立してやっていけるのかどうかという問題が出てくる。
そこで、オーストラリアのワーキングホリデーは打ってつけの練習になるわけだ。ワーホリビザが有効な限り、雇用主がOKすればほぼどんな職場でも働けるし、オーストラリアは英語圏なので、英語が広く通じるとはいえ実際には非英語圏のスウェーデンと比べて言葉の壁の問題も少ないはずだ。働ける期間に限りがあるとはいえ、外国人労働者として合法的に働くという点において、スウェーデンよりハードルの低いオーストラリアのワーキングホリデーで許容範囲内の失敗もいろいろしながら、後で実際に来るかもしれない本番に備えればいい。まだ日本でフルタイムの仕事を持っていなかった学生時代に既に1回親の資金援助でアメリカに9ヶ月ほど留学に行っているし、僕の海外ライフのためにここから更にお金を出してくれなどとは言えない。仮に出してもらってそれでスウェーデンに留学できたとしても、先にも既に書いたが、それでこの先経済的に自立してやっていけるのかという不安が残る。だからオーストラリアのワーホリで練習して自信をつけようではないか。
そのようなことを考えながら始まった僕のオーストラリアでのワーキングホリデー。この後どんなことが待ち受けているのだろうか。
この日はオーストラリアでワーキングホリデーをするために日本を出国する日で、僕はこの日をずっと待っていた。オーストラリアは日本人のワーホリの目的地として、カナダと並んで非常に人気のある国で、この日をもって僕はオーストラリアのワーホリ日本人の仲間入りを果たしたことになるのだが、僕がこの国にワーホリに来ることになった背景は、他の日本人はもちろん、他の国の誰と比べてもたぶん異質なものであると思う。
オーストラリアは元々興味がある国ではあった。おおらかな国民性が素敵だという評判は聞いていたし、アメリカや日本やヨーロッパの多くの国々が長い不況に苦しむ中でも、オーストラリアは比較的良好な経済状況を保ち、健全な経済成長を続け、この20年の間に1人あたりのGDPでは日本を追い越し、世界で最も物価の高い国の一つになり、なおかつ移民にとっても暮らしやすい国だというのも読んだ事があった。そんなオーストラリアという国を旅行者としてでも学生としてでもなく、一人の外国人労働者としての立場から見たらどのように映るのだろうという関心はあった。
だが、僕がオーストラリアに行くことにしたのにはもう一つ理由がある。それは北欧の国にいつか行くという夢をかなえるための準備の場所としてこの国を選んだという、「手段としてのワーキングホリデー」だ。僕は3月いっぱいで辞めた日本での仕事に就くよりさらに前から、北欧諸国、中でも特にスウェーデンに強い関心を持っており、いつか必ず行こうと思っていた。当初は何年かは日本で働いて貯金をし、その間にスウェーデンで勉強をするために必要な準備(主に英語とスウェーデン語の勉強)を並行で行う予定だった。だが、日本でフルタイムで働いた経験のある人ならほぼ誰でも知っていると思うが、日本では一度働き始めると自由に使える時間が極端に減ってしまう場合が多い。日本にはとてつもなく過酷な労働環境で働いている人など山ほどいるはずで、その人たちに比べたら僕の労働環境はまだ恵まれていた方なのかもしれないが、それでも忙しかった時期は残業が月100時間以上あったし、それほど忙しくない時でもやはり60時間ぐらいはあり、英語とスウェーデン語の両方を十分に勉強する時間はとても取れたものではなかった。
自分の上司にあたる人たちは優しい人が多かったので、職場の雰囲気としてはよかったが、将来の自分の目標を考えると、北欧に行く準備も大して進まないままの状態でその職場にあまり長い間とどまるのもどうかと思った。オーストラリアでなら働いている間は全部英語環境になるはずだし、英語に触れる時間が自然に増える分スウェーデン語の勉強に充てる時間もとりやすくなる。これが日本だと仕事が終わって遅くに家に戻り、家にいる短い時間の中から英語の勉強とスウェーデン語の勉強の両方の時間を捻出しなければならないため、時間の使い方に大きな差が出る。さらに先にも既に述べたように、国全体のGDPでは日本にかなわないものの、国民1人あたりの所得では日本を追い越してしまっているオーストラリアでなら、たとえ外国人労働者という低い立場で働いてもそれなりの収入を得て生活できるだろう、あわよくば日本にいた時よりも稼げるのではないか、という思惑もあった。
また、今回のワーキングホリデーはスウェーデンに行く前の予行演習みたいなものでもある。スウェーデンにはまずは留学で行きたいと思っているのだが、もしかしたらそこで仕事を見つけてそのまま住みたくなるかもしれない。今の段階では、気持ちとしては日本に戻ってくるのでもスウェーデンにそのまま住むのでもどちらでも対応できるようにしておきたい、といったスタンスだ。日本に帰ってくるのなら別に特に難しいことは考えなくてもいいだろうが、スウェーデンで仕事をして住むという事になった場合、異国の地で1人でちゃんと経済的に自立してやっていけるのかどうかという問題が出てくる。
そこで、オーストラリアのワーキングホリデーは打ってつけの練習になるわけだ。ワーホリビザが有効な限り、雇用主がOKすればほぼどんな職場でも働けるし、オーストラリアは英語圏なので、英語が広く通じるとはいえ実際には非英語圏のスウェーデンと比べて言葉の壁の問題も少ないはずだ。働ける期間に限りがあるとはいえ、外国人労働者として合法的に働くという点において、スウェーデンよりハードルの低いオーストラリアのワーキングホリデーで許容範囲内の失敗もいろいろしながら、後で実際に来るかもしれない本番に備えればいい。まだ日本でフルタイムの仕事を持っていなかった学生時代に既に1回親の資金援助でアメリカに9ヶ月ほど留学に行っているし、僕の海外ライフのためにここから更にお金を出してくれなどとは言えない。仮に出してもらってそれでスウェーデンに留学できたとしても、先にも既に書いたが、それでこの先経済的に自立してやっていけるのかという不安が残る。だからオーストラリアのワーホリで練習して自信をつけようではないか。
そのようなことを考えながら始まった僕のオーストラリアでのワーキングホリデー。この後どんなことが待ち受けているのだろうか。