昨日のブログに加え、昨夜、写真の山本康生(京都大学経営大学院客員教授)著による

「アフターChat GPT」も聞き終えました。東大の松尾先生はAI研究の歴史の全貌を、一方この本はChat GPT後の世界を具体的に説明しています。合わせお読みいただけると大変参考になります。ウキペディアによると山本康生氏の略歴などは以下の通りです。

 1981年、大阪府生まれ。西大和学園中学校・高等学校京都大学農学部卒業[2][3]東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系環境学専攻国際環境協力コース修士課程修了[4][5]。修士号取得後、三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行ニューヨーク米州本部に勤務。ハーバード大学大学院理学修士号を取得後[6]Googleに入社してフィンテック人工知能(AI)などで日本企業のデジタル活用(DX)を推進[7][8]。2018年より米国のベンチャーキャピタルDNX Ventures インダストリーパートナー[1]。2021年より、パシフィック・リーグマーケティング株式会社(PLM)のテクノロジーアドバイザーを務めている。

 

 同氏の略歴の通り、ハーバード卒後、邦銀(NY)、グーグルに勤務、ベンチャーキャピタルを歴任、最近のChat GPTの動向に詳しく、これからの私たちの働き方の参考になります。また、生成AIの利活用はこれからの国家、企業や個人にインターネット革命の初期のように大きな技術革新によるインパクトを与えます。特に今後のGARFAMの世界的寡占情況と栄枯盛衰にまで影響を与えます。特に検索機能で独占的なポジションにあった、グーグルはマイクロソフトがいち早く生成AIをBing(マイクロソフトの検索機能)に導入したことから検索機能のトップ争いにまで突入しています。

 

 また、GARFAMの中での生成AIの開発競争は熾烈で、現時点ではマイクロソフトがリードしてはいるものの、今後の開発競争の結末は今少し時間がかかりそうです。いずれにしても米国の情報産業が主導権を握っていることは間違いなく、その後を追っかけているのは中国の情報大手企業です。中国は米国へ優秀な留学生を大量に送り込み、国策として先端情報産業を育てています。その点日本は言語がローカルで先端技術開発競争上は後れを取っています。日本政府は日本語を使った生成AIの共同開発に資金を投げてはいますが、誰が勝者になるか判明しない局面での先行投資にはリスクがあります。

 

 日本の製造業は国際競争力を有してはいますが、今後の開発競争で新技術を活用できなければ後れを取らざるを得ず、ここは正念場と言えそうです。また、一般論として、日本企業の生産性は国際比較すると低位にあり、このことが賃金が低い理由でもあります。生成AIの積極的な利活用で、企業や行政の競争力を高めるチャンスはあるものの、これも今まで何度も指摘されてきてはいますが、実現できていません。

最も、生成AIの中でも画像や音楽のような非言語の領域では日本は正面から戦えそうです。個人のレベルでは若者に期待せざるを得ません。特に新技術の開発では米国市場で活躍できる若手人材に期待せざるを得ません。二刀流の大谷選手のような素晴らしい人材が一人でもいいからAI分野で生まれれば局面は変わります。日々是好日。