これは、ニンテンドースイッチ版エルネア王国の日々でのプレイを基にした物語です。
今回はアメブロ限定公開にしておりますアーサーの学院生活を基にした物語を一時的に全体公開とさせて頂いております。
この回では、詠さん、ヌンさん、雪乃さんと物語を紡いでおります。
エルネアとはかなり離れてしまうお話の展開となりますので苦手な方はスルーを推奨いたします。
お待たせ致しました。やっと皆様のイースターエッグ達が出て参りますm(_ _)m
今年は4/12がイースターで、過ぎてしまったのですが……それはユリウス暦(西方教会)に準じた場合。
グレゴリオ暦(東方教会)に準じた場合は4/19がイースターのようです。
文字数制限の都合上、次回がラストですが……(´ー`)
慣れない言い訳はするものではないですね(^^;)
▼登場人物
▼
翠の学部長であるセオドラに頼まれ、アーサー達は嫌がるドーラを連れて歩いていると、校舎から少し離れた湖に差し掛かった。
「もしかして、湖の中にエッグが何個かあったりして」
アーサーはまさかね、と言わんばかりに通り過ぎようとした。
「あるよ」
ドーラがポツリと言った。
「えっ」
アンジェラが湖に顔を覗き込んだ。
「ドーラさん! それは本当なのかい!?」
敵対する蒼の学部と意気込むイサークは目を輝かせた。
早く見つけて帰りたいドーラは気怠げに指で示した。
「ほら、あそこ。何個かあるよ」
「何かある気がしなくもないのだよ……いい事を思いついたのだよ!」
そう言いながら、なぜかイサークはサイラスを見つめた。
──まさか……
──水に飛び込んで卵を取り出そうとしていないだろうか。
アーサーはまさかと勘付き、戸惑った。
「あの……イサーク先輩?これ、水の中にあるからね?」
アーサーとしては服を脱ぐ勢いではないかと焦りながらも穏やかな語調を努めた。
「アーサー君、それがどうしたんだい?」
イサークは何の問題もないという感じだった。
──女子の前で脱ぐか、普通……
アーサーは何も気づいてないリズやアンジェラを気にした。
ドーラは何か勘付いているようでアーサーの様子を見て含み笑いをしていた。
勢いよく服を近くにあった石に向かって脱ぎ捨てたイサークはあっという間に湖に飛び込んだ。
続くつもりがないのだろうサイラスが驚いている間にイサークは湖の底へ行ってしまった。
アンジェラやリズは戸惑いを見せていたが、あまりの鮮やかな動きに別の意味で驚いているようだった。
「本当に……行っちゃった」
アーサーは声が出なかった。
イサークはこれでもかという量のエッグを湖の底から取ってきた。
「皆!こんなにあったのだよ! これなら蒼の学部にも勝てるのだよ!」
イサークは満面の笑みだ。
「げっ、凄い量!」
アーサーは大量のエッグかイサークのどちらに反応すれば良いか分からなかった。
アンジェラは驚いたまま草むらにあるエッグを見つめていた。
「もーエッグ見つけたんだしさあ。もーいいじゃん。戻ろうよー」
面倒くさそうにしているドーラを見たアーサーは苦笑いを浮かべた。
「そんな事言ってないでさー……あ。ドーラちゃんはエッグにどんな絵を描いたの?探しに行こうよ」
「なっ……!ダメダメダメ!!つまらない絵だから!」
いつになく慌てるドーラにアーサーはニヤリと笑った。
「皆ー!ドーラちゃんのエッグ、探しに行こうかー♪」
校舎の廊下を歩きながら、アーサーはわざと大きな声で言った。
「皆のエッグ、どんなのか楽しみだね」
リズが楽しそうにしながら言った。
「柄って個性出るものよね、確かに楽しみ」
アンジェラも目を細めた。
「この調子でどんどん見つけていくのだよ!……ふぇっ……ふぇーっくしゅん!!」
イサークが威勢よく声を放っていたが、さすがに屈強な身体も冷えたのだろう盛大にくしゃみをしていた。
▼
蒼の実習室の前に通りがかったアーサーは立ち止まった。
「ねえ、この実習室とかありそうじゃない?」
蒼の実習室の扉の向こうから声が聞こえてきたのでイサークが扉に貼り付くようにした。
「あれ? 誰かがいる気配がするのだよ! 誰が居てもエッグを見つけらる前に探し出すのだよ!」
「了解っす!」
頷いたアーサーが扉を少し開けると、案の定。蒼の学生達がいたので覗き込むようにした。
「君はいくつエッグを手に入れた?」
それが挨拶の代わりかのように蒼の学生が聞いた。
「俺は2個だ」
その前にいた紅の学生が声を張り上げた。
「僕は12個だ」
「残念だったなー。脳筋野郎の紅の学部」
聡明な顔をした蒼の学生は美しい絵柄のエッグを手にしながら言った。
「くそぅ……!」
紅の学生は悔しそうにした。
「言うまでもなく……学部でトータルしたら、こちらの勝ちかな。紅の学部は頭も使わずに手当たり次第に探すからだよ」
蒼の学生達は口々に馬鹿にするように言った。
「まー。体力だけは有り余ってるだろうから。明日にお疲れが出ないようで何よりだよ。せいぜい、勉強に精進しな」
蒼の学生がねちっこく言った。
「先客がいたようなのだよ」
イサークは別人のように力強い目をしていた。
「あー、キミかぁ。蒼の学部に入りたかったけど入れなかった青年は」
蒼の学生は決して憐んでない目でアーサーを見つめてきた。
「かわいそうにねー。ま、才能?ってもので俺達は選ばれてるワケだから。世の中、合う合わないってハナシがあるんだよ」
蒼の学生はポケットに手を突っ込みながら、せせら笑った。
「ま、キミがいなくたって世の中は回る。僕達が活躍するのを見ておきなよ」
自分に向かって言っている事はアーサーは理解していたが、ここで感情的になる訳にはいかないと押し黙った。
「蒼の学生が何を言っているんだい? 僕達、紅の学部よりも体力がないじゃないかい」
イサークは蒼の学生を見た途端に戦いたくて仕方ないという目をしていた。
騒ぎ立てていた蒼の学生の外れにいたが、ずっと黙っていた青年が本を閉じると、にこやかにイサークに歩み寄った。
「……その声はイサーク君?イースターは楽しんでる?」
「その声は………ヒューゴ君かい?」
珍しくイサークが腑抜けた表情をした。
──イサークはこのヒューゴが大の苦手なのだ。
イサーク曰く、自身が所持している剣のサイズを超えるほどに苦手ならしい。
「いくら医学の才能があっても、人を思いやる心がないなら意味無いんじゃないかな……金メッキみたいなもの?」
サイラスが参戦というよりボヤキで何気なく対抗した。
──ゲゲっ、サイラス君……!
「何だと!脳筋学部のくせに!!」
蒼の学生達が声を荒げた。
様子を見ていたヒューゴは他の蒼の学生を冷たく一瞥した。
「………今は俺とイサークが話してるんだけど」
他の蒼の学生は大人しくなった。
──蒼の学生がどんな目で見られたのか分かんないけど、怖え……
ヒューゴはアーサー達に爽やかな笑みを向けた。
「エッグは見つけられた?」
「はい……!」
アーサーは蒼の代表とはいえ、ヒューゴを気に入っていた。
「イサーク先輩、凄いんです!湖にまで飛び込んで、エッグを15個もゲットされたんです!」
ヒューゴは蒼の代表であり、頭脳派なので熱血漢のイサークと衝突しやすいらしい。
「そう。湖の中に……イサーク、大丈夫?風邪とか引いたんじゃない?」
ヒューゴは心配そうに聞いていたが、イサークは鼻汁を啜りながらヒューゴを見ていた。
▼湖底のイースターエッグ
左上から……
フォモスのエッグとイムのカラフルなエッグ(ほのさん作)
オレンジのイムのエッグと王族色のエッグ(ユウカさん作)
オレンジのイムのエッグはPCユウカさん。王族色のエッグはワイアット・ガイダル国王のイメージのようです。
王冠をつけた面白い顔のエッグと可愛らしいうさぎさんのエッグ(ルドヴィカさん作)
イエローのイムとエメラルドグリーンのラダのエッグ(えくさん作)
桃のエッグ(あきぃさん作)
現PCトウマさんのお名前が桃真なので桃をイメージされたようです。
他に、髪色の茶色に青目をイメージした水玉模様を描かれておられます。
騎士隊模様のエッグ(ヌンさん作)
イサークさんは騎士隊に所属されているとの事からだそうです。
可愛らしい花とイムの水色のエッグ(もるだう。さん作)
2羽のうさぎさん、ハッピーイースターのエッグ(lalaさん作)
皆様のそれぞれのキャラをイメージした仕上がりになっております。
どれも綺麗で可愛らしくて想像力が凄いです(*'▽'*)
本当にありがとうございました!
ハッピーイースター!