突然、皮膚の悪性リンパ腫である「菌状息肉症」の可能性が高いと告げられた帰り道。
途方に暮れながら歩いていると、ふと「あそこに行けば何か希望が見つかるかも」と思い立った。
向かった先は、かかりつけの皮膚科専門医。
先のPartで記載したが、今回生検をしたクリックはかかりつけではない。
というのも、かかりつけのクリニックの院長が学会のためしばらくの間お休みをしていたため、
急遽で今回の受診に至ったためだ。
以降、当該クリニックを受診し続けていたが、本来のかかりつけではないことを思い出したのだ。
すぐに予約を取りタクシーに乗った。
都内は意外と狭い上に、放心状態に近かったため、すぐに到着した感覚が残っている。
久々に院長と会話をして、経緯を全て話した。
生検結果の病理診断報告書?のようなものは何故かもらえなかったため、文面を全てメモしておいた。
当該メモを院長に見てもらい、腹部の現状もその場で詳しく診てもらった。
結論、「私はこの報告書を見ても、菌状息肉症だとは思わない」とのことだった。
経過的にも臨床像的にも乖離している点が多いらしい。
タクシーで移動中は、真っ暗闇に放り出されたような感覚だったが、少しだけ光が見えた気がした。
そして、院長は「ここに名医がいる。紹介状を書くから行っておいで」と優しく寄り添ってくれた。
その名医とは、皮膚科医であれば一度は名前を聞いたことがあるらしい。
院長に御礼を告げて診察室を出た。会計を済ませてから、すぐに名医と呼ばれる皮膚科医がいる病院に電話した。
ただ、名医故に当然人気らしく、予約は数週間後になると告げられた。待てない。
長時間の待ち時間を覚悟した上で、予約なしで受診することを決めた。
翌日の午前中に受診する予定を立てながら、自宅に戻った。
すると、少し安心していたと思っていたにも関わらず涙があふれてきた。怖かった。
誰かがそばにいてくれると少しは心が和らぐのだが、一人になると、途端に不安に襲われる。
彼女にもメッセージで連絡を入れた。すると、仕事中にも関わらず電話がかかってきた。
「早退してから、家に行くよ」
迷惑は承知だが、とても安心した。嬉しかった。
彼女自身も心配なはずなのに、淡々と事情を理解していて、とても頼りになった。
奇跡が起こることを信じて、彼女の帰りを待った。