自然気胸と診断されて数日。徐々に胸から聞こえた「コポコポコポコポ」というような音も落ち着き始めていた。一安心した翌朝だった。苦しい。明らかに昨晩までとは違うレベルではっきりと苦しい。急いで呼吸器科を受診すると、両方の肺に穴が開いていた。今では信じられないが、当時はそれでも経過観察だった。治療はしていないが、胸部のCTを撮ったことは覚えている。所謂「ブラ」と呼ばれる気胸の原因となるようなものが、肺に散在しているのかを確かめるためだ。結論、そのようなものは見つからず自然に治るのを待つしかなかった。

先のPartでも記したが、当時の自分は大学受験を控えた高校3年生だ。唯一のストレス発散であった運動を、気胸によって奪われたことが悔しかったし辛かった。何より、治ったとしても再発を心配して生きていかなければいけないのかと絶望的な気持ちだった。勉強にも身が入らず、梅雨のどんよりとした天気がより一層私の気持ちを暗くさせた。

そんな時、担任が放課後二人で話す時間を設けてくれた。今でも恩師として慕っているこの先生は、剣道部の顧問だった。武道の顧問を務めているというかともあり、真っ直ぐ向き合ってくれた。どこに向けたら良いのか分からない気持ちの整理の仕方や、不安との向き合い方等、その時に教わったことは社会人になった今でも大いに役立っている。もちろん、甲状腺がんを患った時にも役立った。

苦しさが完全になくなったのはそれから更に5日ほど経過した頃だったと思う。レントゲン的にも治っていることを信じて呼吸器内科に向かった。