昨日は、新型コロナの影響で縮小された 75年目の原爆死没者慰霊式・平和祈念式が開催された。

 1989年のことになるが、太平洋戦争が始まったパールハーバーから原子爆弾が投下された広島をレースで結ぶこと自体が、“平和への賛歌”である。日本人が「ヒロシマ」と言えば、米国人は、「真珠湾」を持ち出す。「この深い溝をこの国際ヨットレースで埋めたい」という願いが、私たちの胸の内にあった。

 つまり、このレースは平和を祈り、平和の大切さを訴える“平和巡礼”の意味を持っていたのであった。この趣旨を理解した国際連合は、「キアロア二世」に対し、国連旗を掲げて太平洋を渡ることを許可した。国際ヨットレースに国連旗を掲げた艇が参加したのは世界で初めてのことだった。

 「平和ボケ」から脱し、他国からの威圧を排除し「いかに平和であり続けるか」を真剣に考えてみたいものだ。