ごみ収集は、守らないと…
ゴミ収集日の前日
早めにゴミ出しちゃおう
→実は、犯罪です！
罰則も詳しく聞いた…
日中の気温が上昇してくると、
「生ゴミ」を含む家庭内のゴミから
悪臭が発生しやすくなるもの。
そのため、
ゴミ収集日当日を待たず
「早めにゴミを出しちゃおう」と
考えたり、
実際に前日等にゴミを出したり
した事がある人もいるかもしれません。
しかし実は、
収集日以外の日にゴミを出す事は
「法律違反」に該当する様です。
これは本当なのでしょうか。
家庭ゴミにまつわる法的問題について、
法律事務所の弁護士に聞きました。
◆「5年以下の懲役」の可能性あり！
Q.「収集日以外の日」に
家庭ゴミを出すのは、
犯罪に該当するのでしょうか。
弁護士
「はい。廃棄物の処理
及び清掃に関する法律は、
『何人も、みだりに廃棄物を
捨ててはならない』（16条）と
定めており、
ゴミ収集日以外の日（前日等）に
家庭ゴミを出した場合も、
この法律に抵触する可能性があります。
この規定に違反した場合の罰則は、
『5年以下の懲役、
もしくは1000万円以下の罰金、
またはその両方の重刑』です
（法25条1項14号）。
『みだりに』捨てたと言えるか
どうかは、判例上、
『生活環境の保全
および公衆衛生の向上を図るという
法の趣旨に照らし、
社会的に許容される』かどうかという
視点から判断されています
（最高裁2006年2月20日決定）。
収集日の前日にゴミを出してしまうと、
カラスや猫等にゴミを荒らされる
リスクも高まり、
生活環境や公衆衛生が害され得るため、
『みだりに』捨てたと評価される
可能性があります。
カラスや野良猫等を
勝手に殺傷すると、
動物保護法等で罰則もあります…
警察や保健所、
野良猫、野良犬以外の全野生動物は、
ネズミ、リス、ハクビシン、
アライグマ、タヌキ等も
役所に相談しましょう。
『ゴミ収集日に帰省、旅行だから…』、
『家庭ゴミを前日に出すくらい…』と
思う人も多いかもしれませんが、
犯罪に当たり得るという認識を
持つ事は重要だろうと思います」
ご近所さんが、
悪臭にうなされます！
Q.とは言え、収集日以外の日にゴミを
出したとしても、
実際に罰せられるケースは少ない様に
思われます。
家庭ゴミに関係する行為で、
実際に罰せられる可能性が
高いと言えるのは、
どの様な行為でしょうか。
弁護士「実際に起訴され、
有罪となるかどうかは、
事案の悪質性によります。
家庭ゴミの場合、産業廃棄物に比べ、
不法投棄の悪質性は低いと
評価されます。
それでも、不法投棄の具体的態様、
不法投棄に至った経緯や動機、
同種の前科・前歴等を総合的に考慮し、
常習性、悪質性が高い事案においては
罰せられる可能性があります。
例えば、
本来ゴミを捨てて良い場所ではない
所に、大量の家庭ゴミを
継続的に捨てている様なケースでは、
罰せられる可能性が高くなります。
収集日が異なる 他の収集場所に
混ぜて捨てるのも、ダメですよね…
指定日、指定時間以外の廃棄は、
放火もあり得ます。
粗大ゴミも、
路上や山林等に放置する行為は
悪質性が高く、
注意しても繰り返し行う様な場合、
罰せられる可能性が高いでしょう」
テレビニュースでも、
不法投棄ゴミが問題視されてます…
Q.家庭ゴミの収集に関しては、
ご近所トラブルに発展するケースも
見受けられます。
家庭ゴミ関連で、
法的問題に発展しないために
必要な「意識」とは。
弁護士「家庭ゴミの捨て方については、
役所、自治体ごとに
ルールが決められています。
収集日、場所、分別方法等のルールは、
自治体の広報誌や
ゴミ集積所の掲示等を通して
周知されているでしょう。
それらを確認し、
ルールを守ってゴミを出す事が
トラブルに発展しないために
何より重要です」
