渋滞の登り坂に弱い、ホンダ旧車?
2022年10月末の事件…
渋滞の日光いろは坂で、
ホンダ車ばかり立ち往生?
2022年10月末に
紅葉が見ごろを迎えた
栃木・日光の「いろは坂」で、
ホンダ製の車ばかりが
立ち往生していたという投稿が
ネットで話題となっていました。
投稿された画像を確認すると、
立ち往生していたのは
ホンダ車の中でも、
旧世代のハイブリッドシステム
「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載した
ハイブリッド車両の様です。
ホンダハイブリッド車か!
秋のいろは坂は、
ドライブレジャーで渋滞しますね…
さらに紅葉見たくて、
ゆっくり走るドライバーも増えます。
SPORT HYBRID i-DCD搭載車両での
完全停止からの発進(0キロ発進)は、
基本的にはエンジンの動力を利用せず、
モーターのみでの走行(EV走行)を
行う仕組みとなっています。
バッテリーが少なくなると、
マニュアル車と同じ様な
半クラッチ動作で
エンジン動力による発進の補助が
行われます。
この半クラッチ状態が連続すると
トランスミッションの温度が
高温になり、
クラッチの焼き付きや破損といった
最悪の事態が発生する前に、
メーター上には停止を指示する
警告画面が表示されます。
ホンダ車立ち往生の原因か…
★トランスミッションとは?
『変速ギアボックス』の事で
マニュアル車、オートマチック車も
トランスミッションの違いを
意味します。
原付バイクも、オートマチック車です。
ハイブリッド車とは異なります。
ホンダのSPORT HYBRID i-DCDは
本来、「フィット」の様な
コンパクトカーにもDCTを
普及させつつ、
モーターを組み合わせ、
さらなる燃費の向上を図ったうえで
冷却効率や0キロ発進での
欠点を補ったDCTという
位置付けになっていました。
しかし、
今回の「登り坂で0キロ発進と
低速走行を繰り返す」という
特定の条件下では、
SPORT HYBRID i-DCDでも
DCT特有の欠点が表面化してしまい、
温度警告表示を見たドライバーが
トランスミッションの冷却を待つため、
やむを得ず車両を停車させた事で
立ち往生が起こってしまったという
状況の様でした。
峠道も多い日本の道路事情を、
日本のメーカーが考えてないのです!
ホンダの海外ブランド『アキュラ』は、
関係ありません。
ホンダ車の
開発チームに問い合わせると、
渋滞する登り坂で停車する時に
ブレーキを使わず、アクセルだけで
発進と停止を繰り返すという状態は、
i-DCDの構造上、
アクセルを緩く開け続けている
(=半クラッチ状態が長く続く)
状態となり、
トランスミッションに高負荷がかかる
原因となります。
車両メーカーや
ハイブリッドの有無問わず、
オートマチック車において
渋滞した登り坂を考慮した運転を、
教習所で教えてない事もあります。
いろは坂に限らず、
登り坂で渋滞すると
どこでも発生しかねません。
年末年始の箱根も、
箱根駅伝等で渋滞あり得ます!
季節は関係ないため、
積雪時に高速道路の登り坂渋滞でも
可能性あります。
SPORT HYBRID i-DCDは
旧世代のハイブリッドシステムのため、
現在新車で販売されている車両では
「フリード・ハイブリッド」のみが
同システムを搭載しています。
(※2022年11月現在)
2010年代に製造販売された
2代目フィット、ヴェゼル、グレイス、
シャトル、2代目フリードの
ハイブリッド車に搭載され、
ジェイドハイブリッドは
日本仕様のみである。
当時の新車ユーザーも
同じ走り方をして警告灯表示による
クレームが多発したのでしょう…
現在、
ホンダ車主流の
ハイブリッドシステムは
「e:HEV」で、
こちらのトランスミッションの構造は
SPORT HYBRID i-DCDと
全く異なるものとなっているため、
同じトラブルは
起きない様になっています。