彼と連絡を続けて、昼を迎える

早起きをすると、1日が長い。
この頃の私にとって、まだ慣れない土地、
気軽に会える知り合いもまだおらず
そんな中で早起きをすることは特段、嬉しいことではなかった。

1人で過ごす時間が伸びるだけ
今でこそ、出かけたり何かを学んだり、そういった楽しみを見つけられる余裕があるものの
学生だった私はまだ、ひとり時間を楽しむことが下手くそだった。

「お昼ご飯どうしようかな」
「俺は適当に、家にあるパスタにカレーでもかけようかな」
「カレーパスタ?考えたことなかった」

…もう会えばいいのに。
書いている今の私自身もそう思うが、
当時の私たちは心から、連絡を取るということを楽しんでいて、会うに至らない。

「昼飯どうしようかな!!」

ん?さっきカレーパスタって…
違った。幼馴染からだった。

昼頃になり、ようやく活動を開始したのであろう。出遅れて、幼馴染からも連絡が入った。
みんなして昼ごはんに悩んでいるように見えて、ただ私たちは誰かと連絡を、会話を、楽しみたいだけだったんだろう。

「私もまだ決まらない。もうどっか行こうかな」
「まじ?ならファミレスでいいやん、いかね?」

なんとまぁ、幼馴染とはこうもすんなりと
昼の予定が決まったのだった。
(なら彼も、、??)

頭によぎる。だが、彼から誘ってこないのなら
別に私から誘うこともないだろう。
彼の昼はもう決まっているんだし。

「幼馴染も昼ごはんに迷ってたみたいでさ。
外で食べちゃおっかってなったよ!行ってくるねー」

連絡が遅くなることを考え、彼にこう送った。
すぐ返信が来る。

「今度は俺も、というか、俺と行こうね」

私と彼の初めての約束ができた瞬間だった。