家に着くと、もう昼が近い時間だった
ここから寝るには1日が終わってしまうような気がして惜しく、体を動かして眠らないようにしていた。
近所を散歩し、知り合いもいない街で商店街や駅の周辺をぷらぷらと散歩する。
ふと、良さげな公園とベンチが見つかったので、休憩がてら腰掛けた。
日差しが出ているとまだ暖かい、心地よい日だったのを覚えている。
ふと、SNSをひらいてダイレクトメッセージを確認した私は驚きで思わず声が漏れた。
彼からだった。
「無事に帰れましたか?最後はずっと寝ていてごめん、先に送ってくれてありがとう。幼馴染のところから見つけてダイレクトしました。」
人によっては、即ブロックものである。
ただ、彼には真っ直ぐさを感じることが多かったこと、私もまた話してみたいと思っていたこと、色々が重なって、嫌な気持ちにはならなかった。
「こちらこそ、眠かっただろうにありがとう。
無事帰ってます、寝ないようにお散歩中です」
しばらく返事はなく、少しどんな返事が来るのか楽しみにしていた私は肩透かしを食らった気分だったが、それもそれで彼らしい。そもそもまた寝ているかもしれない。
SNS…彼もやっていたんだな。
少し意外だった。そういうものをやるタイプに見えなかった。ただ、やっていたおかげでまた話ができた。
しばらく、のんびり返信してみよう。
彼、面白そうだし。
恋愛感情だったのかどうか定かではないが、人として彼に興味を持った私はそっと彼をフォローし返したのだった。