真夜中だった

「海を観にいかないか?」
誘いは突然だったし、軽いノリみたいなものだった。
幼い頃からの友人、いわゆる幼馴染からの誘い。
明日は何もないな、、でももうすっぴんだし。寝る準備万端だし。いつもの私なら断っていた。

けれど、「行ける、朝日みよ」
そのときどんな気分だったのかはとんと覚えていないけれど、私はこう返事をした。

海まで行って、朝日を見て帰る。
たったそれだけのこと。たったそれだけのはずだった。

神様がいるならさ、行かせないで欲しかった。


フィクションであり、ノンフィクションの人生物語