シネマイレージ003:万引き家族
第3弾は、カンヌで最高賞であるパルムドールを獲り、日本でも大ヒットを記録している話題の作品『万引き家族』です。
万引き家族(監督:是枝裕和) ☆☆☆☆☆
シネマイレージ3本目にして5つ星満点です!鑑賞後本当にこれは名作、と感じられるものがありました。
ストーリーとしては以下の通り。ひとつ屋根の下に住む一家がいて、祖母の年金と土木労働やパートで暮らしているが、それでも足りない分を万引きでまかなっている。ある日、ベランダに出されていた虐待されていると思われる少女を引き取ってきて、その後返しに行くが返せる状況になく、そのまま一家に加わることになる。この一家には実は秘密があった…というもの。ひとつ屋根の下、というか基本いられる部屋が一つしかなく、プライバシーなんてまるであったものではない。でもこれが以前の(昭和の)暮らしだったのでしょうか。たまに少しだけ出てくる「普通の」家の描写がいかにも表面的で冷たく見えるような描写になっています。
そしていつか、この「一家」は破綻を迎え、警察の尋問を受け、マスコミの好奇の目にさらされることになります。でも、それが正しいのか?というのがこの映画の言いたいところなのでしょう。「普通の」(=中流の?)人から見るといかにも下層で、「なってない」人たちに見えるけれども、その人たちにも彼・彼女らの生活があり、大きくは他の人に迷惑をかけているわけではない(もちろん店にはかけているが、潰れない程度に)。一面的なマスコミの見方ではなく、違う角度から物事を見ることもしてみませんかということです。
見どころとしては、たしかに安藤サクラの凄み。特に後半にかけて。リリー・フランキーのひょうひょうとしたしゃべり方とか何ともツボにハマります。終盤で検事として出てくる女性を、かつての日本映画のミューズ、池脇千鶴がやっているのですが、この一家とまったく対立する概念の人格を、すごーくいやな表情でやっているのが印象的でした。あと、場面としては、花火(見えないけど)・海・雪の日ですね。
突っ込みとしては、そこまで万引きが中心でないし、万引きしなくても何とかなる気もしてしまうのですが、やっぱり覚えてしまったことはやめられないんですかね。