漱石「それから」連載終了
朝日新聞の連載「それから」が終わった。
「それから」は高校時代に大きな影響を受け、理系志望から文転するきっかけになったと言っても過言でもない小説であった。それだけに、今回の連載はかなり楽しみにしていた。しかし、実際のところ、どうしても代助のぐじぐじしたところばかりが目に付いてしまい、以前ほど感銘を受けることができず、同様に高校時代に読みそこまでハマれなかった「三四郎」を今回の連載で見直すことができたのとは逆の結果になった。
思うに、高校時代は代助の芸術や文学を愛し理想を追い求める思考方法を過大評価し、キャリアから転落する平岡を見下していたところもあったのかもしれない。実際、作者の筆はそのように描いている。但し、そこから年月を経て改めてみると、また全く違った見え方がするものである。代助はだめだめなところも多いが、その人物像には魅力があり、と時々作者の描写に非常に気合が入るところでは一気に引き込まれる。どこかで読んだ「それから」評に、「三四郎」とは違って「美文」を心がけたとあったが、確かにそれにはうなずける。
三千代は今読んでみると、人物像にそこまで深みがなく、「都合のよい」存在であるようにも思える。むしろ、登場回数の多い兄嫁の梅子の描写にかなり力を入れていることに気づかされた。
最終回は昔読んでもショッキングだったが、今でも変わらなかった。「赤」が苦手という描写がずいぶん前に出てきたとき「伏線だ!」と思わず感心した。また、頭の中に外部のものが入ってきているのは、冒頭の描写に立ち返っているのにも今さらになって気づいた。
「それから」は高校時代に大きな影響を受け、理系志望から文転するきっかけになったと言っても過言でもない小説であった。それだけに、今回の連載はかなり楽しみにしていた。しかし、実際のところ、どうしても代助のぐじぐじしたところばかりが目に付いてしまい、以前ほど感銘を受けることができず、同様に高校時代に読みそこまでハマれなかった「三四郎」を今回の連載で見直すことができたのとは逆の結果になった。
思うに、高校時代は代助の芸術や文学を愛し理想を追い求める思考方法を過大評価し、キャリアから転落する平岡を見下していたところもあったのかもしれない。実際、作者の筆はそのように描いている。但し、そこから年月を経て改めてみると、また全く違った見え方がするものである。代助はだめだめなところも多いが、その人物像には魅力があり、と時々作者の描写に非常に気合が入るところでは一気に引き込まれる。どこかで読んだ「それから」評に、「三四郎」とは違って「美文」を心がけたとあったが、確かにそれにはうなずける。
三千代は今読んでみると、人物像にそこまで深みがなく、「都合のよい」存在であるようにも思える。むしろ、登場回数の多い兄嫁の梅子の描写にかなり力を入れていることに気づかされた。
最終回は昔読んでもショッキングだったが、今でも変わらなかった。「赤」が苦手という描写がずいぶん前に出てきたとき「伏線だ!」と思わず感心した。また、頭の中に外部のものが入ってきているのは、冒頭の描写に立ち返っているのにも今さらになって気づいた。