真夜中の病室で考えたこと | 福祉業界の人たちを自分らしく輝かせる専門家 研修講師 石原誠吾

福祉業界の人たちを自分らしく輝かせる専門家 研修講師 石原誠吾

パーソナルブランド、アンガーマネジメント、レジリエンス、ストレスマネジメント

 

石原です。

 

深夜の病室で母と一緒にいると、

いろんなことを考えます。

 

 

母が入院したのが

2月4日ですから、

20日が過ぎました。

 

そろそろ退院、というところで、

高い熱が出て、元の木阿弥に・・・

それから少しずつ

よくなっているものの、

 

退院の目途は立っていません。

 

私はというと、日中は少し病室から

出ますが、夜はほぼ病室で

寝泊りしています。

 

 

正直、気が滅入りますね。

 

 

血糖値も高止まりで、

なかなかコントロールが難しいようす。

 

一体いつ退院できるんだろう。

このまま入院が長引けば、

施設に帰れなくなるかもしれない。

 

当初は楽観的に考えていましたが、

だんだん、不安が現実のものに

なるようで、さすがに気が滅入ります。

 

 

 

一方で、母親とずっと一緒に

過ごしていると、親子の結びつきが、

さらに強くなる感じがします。

 

 

・・・

10年以上、母親の介護を

ずっと担ってきた娘が、

最後、お母さんを殺める、

という事件がありました。

 

 

その娘は、介護サービスを使わず、

他の家族にも頼らず、母の介護を

やってきた。

 

彼氏もいたのですが、

自分から身を引きました。

 

そして、最後は体調を崩して、

うつ病と寝不足から、

精神的に追い込まれて、

母親を殺めたのです。

 

 

彼女の胸の内は、

彼女にしかわかりませんが、

 

でも、私自身も母の介護を

一人でしてきて、

今、母親の入院を通して、

親子の結びつきについて

考えている私には、

 

彼女の心の中で

何が起きていたのか、

少しはわかるような気がします。

 

 

 

・・・

私は、母親には早く退院して、

施設に帰って欲しいと思っていて、

母親も同じように思っていると

考えていました。

 

 

でも、先日、

「施設に帰りたくない。

施設でどうやって生活して

いいかわからない。怖い、怖い。」

 

みたいなことを母親が言いました。

 

 

今は病院ではあるけれども、

息子が長い時間そばに

いてくれる。

そんな安心感と、

 

もう施設には私の居場所がないし、

他人行儀な職員さんが怖い、

みたいな気持ちが

ないまぜになって、

 

そんな言葉が出たのかも

しれません。

 

 

そんな母親の言葉を聴くと、

施設に預けるのって、

かわいそうだなあ、

という辛い気持ちと

 

一方で、もうかつての

母親との介護生活に逆戻り

するのは正直しんどい。

 

これからのことも不安だし、

なんだか、袋小路に迷い込んだ

気持ちになります。

 

 

 

母一人子一人で、

親子の結びつきが強いせいか、

 

もしかしたら、

私は母親の辛さに

巻き込まれているのかも

しれません。

 

母親が辛いと、

私自身が、母親以上に

辛さを感じているのかも

しれません。

 

 

 

しかし、人間は一人で生まれて、

一人で死んでいくしかない。

 

その辛さに耐えるしかない。

 

母親の辛さに

巻き込まれるのではなく、

母親の力を信じたいと思います。

 

 

「このか弱い母親を私が救わなければ」

ではなく、

 

 

「母親は母親の人生をしっかり生きる」

「自分は自分の人生をしっかり生きる」

しかないと思います。

 

 

このことに、介護殺人や介護心中を

防ぐヒントがあるような気がします。